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VIAとギガバイトがタッグを組んで「K8T890」をアピールマザーボード

» 2004年12月07日 21時56分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 日本ギガバイトはVIAの新チップセット「K8T890」の発表にあわせて、同チップセットを搭載した新製品マザーボードの説明会を行った。

 会場には、このイベントにあわせて来日したVIA台湾本社日本市場統括責任者のリバー・ハン氏や、VIA Technologies Japan社長の佐久間敏裕氏も同席し、K8T890/K8T890 Proの説明や実機の展示、そして、世界初となる、K8T890 Proのマルチディスプレイデモが披露された。

 K8T890はSocket 939に対応したAthlon 64/Athlon 64 FX用のチップセット。最近、競合他社が発表しているAMD64向けチップセット同様、PCI Expressに対応する。

 K8T890では、ほかのPCI Express対応チップセット同様、PCI Express X16一つに四つのPCI Express X1をサポートするが、K8T890 Proではグラフィックス用のスロットとして、PCI Express X16のほかに、PCI Express X4をサポートし、それぞれのスロットに搭載した2枚のグラフィックスカードでマルチディスプレイ環境を実現する。

会場ではK8T890 Pro搭載マザーを使ったマルチディスプレイのデモが行われていた。プライマリのPCI Express X16スロットに差さっているのは、VIAが発売を予定しているDeltaChrome搭載PCI Express対応グラフィックスカード。Direct X 9対応で4本のパイプラインを実装するなど、バリュークラス相当のスペックを有するが、VIAとしてはファンレス動作の部分をアピールしたいとのこと

 最近よく聞く「NVIDIA SLI」のようなマルチGPU的機能はサポートしていないが、佐久間氏によるとVIAでもそのような機能をサポートするチップセットを開発中とのこと。しかし、登場時期や具体的な機能については明言を避けている。

 ノースブリッジであるK8T890/K8T890 Proと組み合わせる最新のサウスブリッジとして用意されているのが「VT8251」だ。ノースブリッジとの接続は帯域幅1066Mバイト/秒のV-Linkを採用、さらに、ノースブリッジとは別にVT8251自身でも2レーンのPCI Express X1をサポートするのが特徴。K8T890とVT8251を組み合わせたマザーでは、合計22レーンのPCI Expressバスが構成できることになる。

VIAの最新チップセットの組み合わせ「K8T890」「VT8251」では、ノースブリッジで20レーン、サウスブリッジで2レーン、合計22レーンのPCI Expressが利用できる

 そのほか、VT8251に盛り込まれた機能として注目されるのが、帯域3Gバイト/秒の高速転送を誇るSerial ATA 2と192Kバイト/24ビット・8チャネルのHigh Definition Audioのサポート。RAIDも0、1、0+1をカバーする。

 ギガバイトはK8T890搭載マザーとして「K8VT890-9」を会場で展示。さらに、製品のロードマップでは、グラフィックスコアとしてDeltaChromeを内蔵したK8M890搭載マザー「K8M890-9」が2005年第一四半期に予定されている。

ギガバイトのVIA製チップセット搭載マザーボードのロードマップ。来年第一四半期には統合型チップセット「K8M890」を搭載したK8M890-9が登場する予定

ギガバイトのK8T890搭載マザー「K8VT890-9」

 K8VT890-9はK8T890とRAID機能をサポートしたVT3237Rを組み合わせている。拡張スロットはPCI Express X16が一つにPCI Express X1が二つ。PCIスロットも三つ搭載する。

 接続用のインタフェースはUSB 2.0が8ポートにIEEE 1394。ギガビットイーサはK8T890に内蔵されたコントローラでカバーされる。

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