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買収の憶測高まるSiebel、従業員保護プランを導入

» 2005年05月28日 08時56分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Siebel Systemsが、もし買収された場合でも従業員への退職金支払いと健康保険加入継続を保証する内容の従業員手当てプランを採用した。同社の未来に関する憶測が広がる中、従業員の流出を食い止めるために必要な措置だとSiebelは説明している。

 この新プランは5月20日に発効され、Siebelが5月26日に当局に提出した書類で明らかになった。「当社の買収・合併の可能性に関する最近の噂が原因で、従業員と幹部の間に相当な不安が広がり、従業員の生産性と会社の業績にマイナスの影響を与える可能性がある。特に主要な社員と幹部についてこの問題に対応しなければ、会社と株主に悪影響を与えかねないと判断した」。提出書類ではこう説明している。

 ここ数週間、ウォール街ではSiebelの行く末をめぐる憶測が飛び交っている。同社のCRMソフトは大きな顧客層を擁しているが、エンタープライズソフトの売れ行き不振で過去数年にわたって伸び悩んでいる。債務が少なく現金保有高は20億ドルを超えているため、Siebelの現在の市場価値である48億ドル以上を支払いたいという相手が見つかれば、格好の買収ターゲットとなる。先月にはCEOを務めていたマイク・ローリー氏が就任から1年もたたないうちに、業績が回復しないことに不満を持った取締役会によって突然解任され、噂に火が付く格好となった。

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