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「今年も来年もPC市場は好調」、IDCが予測を上方修正

» 2005年06月17日 15時43分 公開
[IDG Japan]
IDG

 低価格、新興市場の影響、ポータブルコンピュータの継続的な成長など多くの要因により、PC売上は来年も強力な伸びを示すはずだ。調査会社IDCは6月16日、このような調査報告書をリリースした。

 IDCは向こう数年管PC売上全体の伸び率が徐々に低下していくと予測しているが、今回の調査は同社が3月に公表したもっと弱気な予想をかなり上方修正している。同社の直近の調査では、世界PC出荷台数は2005年に11.4%伸びて1億9920万台に、2006年には9%伸びて2億1700万台に達すると予測されている。3月時の予測では、2005年の成長率は9.7%、2006年は8.6%となっていた。

 「(主要)市場は第1四半期はいずれも実際に予想よりも好調だった。最も変化が大きかったのは、出荷量はやや少ないが、急速に成長している地域だ」とIDCで四半期ごとの世界PC販売調査を担当しているディレクター、ローレン・ロベルデ氏。ラテンアメリカ、中東、アフリカなどの市場のPC出荷台数は今後も20%以上の伸びを示す見通しだ。

 中国や西欧などの大規模市場も第1四半期は特に好調だった。またIDCは、2005年は米国でコンシューマーからのノートPC需要が成長を牽引するだろうと見込んでいる。今年西欧ではコンシューマー向け販売の出足が好調だった。世界的な買い換えサイクル――企業が時代遅れになったハードを入れ替える――が終わっても、このトレンドは年間を通して続くはずだ。

 今年は世界中で、主にコンシューマーがPC売上の成長を牽引する見通しだ。ただし中国は例外で、好景気のため企業向けのPC販売が拡大しているという。

 だがロベルデ氏は、IDCはPC業界の成長が鈍化するとの予測を撤回したわけではないと明言した。

 「この市場が鈍化するとの見解を変えてはいない。実際には予想外の伸びが組み合わさったのだ。過去数年は比較的好調な伸びが見られ、われわれは(これまでの予測で)成長ペースがどれほど急速に落ちるかについてちょっと強気な見方をしていた」(同氏)

 IDCは、2010年までは成長率が8%を下回ることはないと予測していると同氏は付け加えた。

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