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NECエレ、中間期は赤字に

» 2005年07月06日 17時52分 公開
[ITmedia]

 NECエレクトロニクスは7月6日、2005年9月中間期の業績予想を下方修正し、純損益が70億円の赤字になる見通しだと発表した。携帯電話向けLSIが国内市場の伸び悩みの影響を受けるなどし、第1四半期(4〜6月)の売上高は前四半期比で13%減になる見込み。シリコンサイクルは今月で底打ちすると見ているものの、回復には数カ月から半年はかかるとしている。

photo 業績予想の下方修正を発表する戸坂馨社長

 修正後の中間期業績予想は、売上高が3150億円(前回予想は3400億円)、営業損失が100億円(同20億円の黒字)、税引き前損失が120億円(同10億円の黒字)、純損失が70億円(同5億円の黒字)。

 第1四半期、売上高1450億円に対し営業赤字100億円を計上。デジタルAV家電向けLSIなどは堅調だが、携帯電話向けシステムLSIや汎用マイコンが前四半期から大幅に落ち込む見込み。第2四半期は売上高は増える見込みだが、第1四半期の落ち込みをカバーしきれず、中間期では赤字になるとして下方修正した。第1四半期決算発表は7月27日の予定。

 今年の半導体市場自体は堅調が見込まれているが、安定的と見られているPC関連分野ではUSBなどのインタフェース系しか持たず、成長著しいフラッシュメモリも手がけていないなど、ポートフォリオ上に成長分野が少ない点があだとなった。国内依存度が高い携帯向けLSIは頭打ちな上、小型液晶向けドライバのシェアを奪われたのも響いた。

 今後はマイコンの強化と液晶ドライバのシェア奪回を図るほか、生産技術による損益分岐稼働率の引き下げといったオペレーションの改善などで利益率の向上を図っていく。

 同社株式の同日終値は、前日比50円安(−1.00%)の4950円。

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