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レガシーを狙え――MSバルマーCEOの標的はIBMとNovellMicrosoft Worldwide Partner Conference 2005

» 2005年07月11日 14時40分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)は7月10日、先週行われた年次パートナー会議Worldwide Partner Conference(WPC)で何度も繰り返されたスローガンを声高に唱え、IBMのLotus NotesやNovellのNetWareなどのレガシーグループウェア・ネットワーキングパッケージを特に狙い撃ちするようパートナーに呼びかけた。

 同氏は朝の基調講演の中でIBMに直接狙いを定め、IBMはMicrosoftのナンバーワンのライバルだとし、ハード、ソフト、サービスを顧客に提供するというIBMの3方面からの戦略を批判した。

 「IBMはほとんどの場合にベストなハードを持っているだろうか? 自身に問いかけてみてほしい」とバルマー氏は語り、聴衆の笑いを誘った。「IBMはベストなソフトを持っているのか? わたしの個人的な意見では、彼らは2番目に優れたソフトすら持っていない。彼らはベストなサービスを提供しているか? 否、彼らの手にベストなサービスはない。IBMの製品ラインはこれまでで最弱だ。その価値は今日、わたしの25年間の業界生活の中のどの時点よりもかなり低くなっている」

 同氏は講演の間、ライバルへのさらなる一撃として、パートナーのMicrosoftへの貢献に何度も感謝の意を示した。「IBMは世界最大のサービス部隊だと世間では言われているが、それはナンセンスだ。当社のパートナー基盤は世界最大のサービス部隊だ」

 バルマー氏は、Lotus Notesユーザーは特に狙いやすい標的だとし、WPCでLotusパートナー奪取という目標を語ったMicrosoftインフォメーションワーカー製品管理部門のクリス・カポセラ副社長の意見を繰り返し語った。

 10日の基調講演で標的となったのはIBMだけではなかった。バルマー氏はNovell Netware顧客の巨大な導入基盤、さらには旧版Windowsの顧客をMicrosoftの最新OSにアップグレードさせるよう促した。

 「皆が混乱するといけないということで、たくさんのNetWareと(Windows)NT 4が残されている。最後に残った顧客すべてを新技術に乗り換えさせよう」(バルマー氏)

 同氏は社名は出さなかったが、Microsoftの最近のお気に入りのスローガンの1つ――インターネット検索エンジン事業でナンバーワンになりたいという野望――を繰り返し、Googleにも一撃をお見舞いした。

 「世界中の情報の検索・ナビゲーションにおいて、人々はもっといい成果を上げられるし、そうした成果を出すだろう。わが社はそのリーダーになることに専心している。それが1年、2年、3年かかるとしてもだ。われわれは優れたデスクトップ検索(製品)を有している。今はインターネットではリーダーではないが、だからといってわれわれが革新に真剣でないということではない。非常に真剣に取り組んでいる」(同氏)

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