1万4500人の人員削減発表の折、研究開発投資の継続を明言していた米Hewlett-Packardが、HP研究所の4つの研究プロジェクトの中止を決めた。7月21日、同社の広報担当が認めた。
HPの広報担当者、デイブ・バーマン氏によると、打ち切られるプロジェクトには、インターネット向けの次世代OSの開発、高密度ポータブルストレージ機器の開発、医療・健康分野の技術研究が含まれる。プロジェクト中止の詳細は、21日付のSan Jose Mercury News紙が最初に報じた。
バーマン氏は、HPは短期的にも長期的にも最も成果の上がりやすい研究に照準することを決めたと説明。例えば、プラチナとチタンを採用した新トランジスタ設計のクロスバーラッチや、量子コンピューティング関連のプロジェクトは継続するという。
研究組織体制も変更する。バーマン氏によると、今後、すべての研究開発部門がHP研究所所長のディック・ランプマン氏の配下に置かれることになる。これまでは、HP研究所で進められる作業の中に、マサチューセッツ州のCambridge Research LaboratoryやAdvanced Software Researchのプログラムなど、個別の研究センター管轄のものがあったという。
それら傘下の研究所のプロジェクトの一部は、HP研究所の別の部署に移管されるとバーマン氏。
HPの年次報告書によると、同社は2004年度(2003年11月〜2004年10月)、研究開発におよそ35億ドルを投じた。HPでは従来から、創業者ウィリアム・ヒューレット、デビッド・パッカード両氏の志を継ぐものとして先端研究が非常に重視されてきた。だが2004年度、全事業部門の黒字化に奮闘する中、HPの研究開発費は前年度より縮小した。
HPのマーク・ハードCEOは19日、リストラ計画の概要を明らかにした際、HPにとって先端研究は同業他社との差別化要因だとし、研究開発投資の継続を約束していた。
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