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SONY BMG、DRMソフトのrootkit問題で新パッチ、批判は収まらず(2/2 ページ)

» 2005年11月09日 19時05分 公開
[Paul F. Roberts,eWEEK]
eWEEK
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 「問題のソフトは、CDを不正なコピーやリッピングから守るためのものだ」と同氏。

 ヘス氏はまた、SONY BMGは顧客の行動に関する情報を一切送信していないと述べた。

 ルシノビッチ氏はSysinternals.comの同氏のブログでこれらの主張に反論した。同氏によると、DRMソフトと、SONY BMGがDRM削除プログラムの入手を希望する顧客にダウンロードを求めているActiveXプログラムは、いずれも同社のサーバへの暗号通信トンネルを作成するという。

 ルシノビッチ氏は、こうしたルートでどんな情報が送信されているかは分からないが、SONY BMGは少なくとも、購入されたCD上の情報と、それを再生しているマシンのIPアドレスを結びつけることができると主張している。

 ルシノビッチ氏の分析に対し、First 4 Internetは、メディアプレーヤープログラムはどのCDが再生されているかという情報を送信しているにすぎないと述べた。これはアーティストのWebサイトへのリンクなど、追加コンテンツをプレーヤープログラム内のローテーションバナーに表示するためという。

 またFirst 4は、問題のソフトはWindowsをクラッシュさせる可能性があるというルシノビッチ氏の主張を「憶測」だと否定した。これを受けてルシノビッチ氏は新たな分析を発表し、First 4のrootkit機能がWindowsを異常終了させる場合がある証拠として、突然のダウンの原因としてFirst 4のドライバが挙げられている「死のブルー画面」などを提示した。

 ルシノビッチ氏は8日、SONY BMGとFirst 4は批判への対応に躍起だが、DRM技術をコンピュータにインストールした顧客がそれを削除できるようにするための対策は、ろくに進んでいないと語った。

 SONY BMGのWebサイトのメインページには、DRM技術をインストールした顧客向けのリンクや情報は掲載されていない。

 しかも、ルシノビッチ氏を含め、DRM技術の削除プログラムを入手するためにWebベースのフォームで個人情報を提出し、First 4 Internet製のActiveXコンポーネントをインストールした顧客は、SONY BMGが約束したプログラムをまだ入手していないという。

 「パッチとアンインストーラは要するにPRのためのもので、消費者のためのものではなかったということだ」(ルシノビッチ氏)

 SONY BMGは、まずCDにrootkit機能を搭載してしくじり、このプログラムに対する批判への対応で傷口を広げたと、CAのeTrust Security Management担当副社長サム・カリー氏は語る。

 「いい加減に目を覚ましてもらいたい。SONY BMGは個人ユーザーと企業ユーザーの権利に対する理解が一貫して欠けている」(同氏)

 CAは11月12日にリリースするスパイウェア対策製品「PestPatrol」のアップデートソフトに、First 4のステルス技術の検知機能を搭載し、同社のプログラムを「rootkit」に分類する、とカリー氏は語る。

 顧客はSONY BMGのCDを同社のお仕着せのメディアプレーヤーではなく、自分の好みのプレーヤーで再生できてしかるべきだ、とカリー氏。

 「顧客は(音楽)コンテンツを買ったのであって、ソフトを買ったわけではない。彼らは、20ドルのCDのメディア拡張ソフトのせいで、自分の2000ドルのPCが思いどおりにならなくなるなどとは思っていない」

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