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» 2005年11月21日 20時35分 UPDATE

技術者専門のSNS VC参加で起業支援も

日刊工業新聞社は、技術者専門SNSを来年2月に開設する。大学教授や研究所に参加してもらうほか、ベンチャーキャピタルの参加も促し、起業支援も行う。

[岡田有花,ITmedia]

 日刊工業新聞社は11月21日、技術者専門の有料SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)「てくてく.jp」を来年2月に開設すると発表した。企業や大学、専門分野の壁をまたいで技術者にコミュニケーションしてもらい、異業種や世代間交流を促進。同紙記者も参加し、取材や記事化につなげる。

photo 「モノ作りの現場は、2007年問題を控え、技術や技能をどうつないでいくかが大きな課題になっている」と技術者ネットワークの重要性を強調する日刊工業新聞の千野俊猛社長

 てくてく.jpは、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)がプロデュースし、ホットリンクがシステム開発を担当する。サイトは公開ブログと会員のみ閲覧できるSNSで構成。ブログは無料で利用できるが、SNSの利用には年間3780円(315円×12、税込み)が必要。入会から3カ月は無料で利用できる。

 ブログに投稿した記事は研究分野ごとに分類・整理できるようにし、技術情報を蓄積していく。「mixi」など一般のSNSと同様、友人リンク機能やメッセージ送受信機能を装備。あらかじめ設定された研究分野ごとにコミュニティーを作成でき、専門に特化した深い議論ができるとしている。

 同紙記者200人のほか、大学教授を中心にした30人のコメンテーターに参加してもらい、コラムや研究成果を執筆してもらったり、質問に答えたりしてもらう。

 東京大学のインキュベーション施設「東大柏ベンチャープラザ」や、同社が主宰する異業種交流組織「産業人クラブ」加盟企業も参加する予定。ベンチャーキャピタルにも参加してもらい、学生や技術者の起業を支援する。

 書き込みやトラックバックに一定ポイントを付与し、貯まったポイントを商品と交換できるようにしてコミュニケーション活性化につなげる。

 運営は、新設する予定の新会社が行う。新会社には同社のほか、JDC信託が集めた出資社にも出資してもらう計画だ。

幅広いビジネスチャンスに期待

 日刊工業新聞はこれまで、産業人クラブで中小企業の技術者の交流を支援してきた。今後はネット上でも交流を深めてもらおうと、SNS参入を決めた。当初はブログだけのサイト構築を考えていたが「ブログはビジネス化しにくい」(同社編集局電子メディア事業室の水野洋室長)ため有料SNSにしたという。

 売り上げは、利用料とバナー広告などから得るほか、産学連携のマッチングや投資先マッチングなどのビジネス化も視野に入れる。「ビジネスチャンスは幅広い」(水野室長)

 同社の千野俊猛社長は「SNSに大きく成長して欲しい」と期待する。同社はWebサイトで記事の一部を公開するなどネット事業を行ってきたが、「ネットメディアは儲からない」(千野社長)。有料制の会員サイトなら確実に収益をあげられると見る。

 mixiやGREEなど既存SNSに参加している若い研究者は多く、SNSの複数掛け持ちは面倒。ユーザーが集まるかどうかがカギになりそうだ。JDC信託の土井宏文社長は「既存SNSでは、技術の深い話はできない」とし、技術者専門のSNSへのニーズはあると見る。「最近は産学連携が進んでおり、多くの大学や企業が情報開示や提携先探しに積極的」(土井社長)なため、オープンな議論が期待できるとしている。

 同社によると、国内には自然科学系の研究者が約57万人、技術者が約250万人いるという。学会などで参加者を募り、初年度1万〜1万5000人の参加を見込む。2年後には5万人の参加と4000万円の売り上げを目指す。

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