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MS Research、Google「タイプミス」広告業者の存在を指摘(2/2 ページ)

» 2005年12月20日 16時15分 公開
[Ryan Naraine,eWEEK]
eWEEK
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 一方では、Google自身もタイポスクワッターのターゲットとなっている。2005年4月、無警戒なWebユーザーが同検索エンジンのドメイン名をタイプミスした際に、意図的なタイプミスによるgoogkle.comというドメイン名が、トロイの木馬型ドロッパー、ダウンローダー、バックドア、スパイウェアなどのインストールに用いられた(4月28日の記事参照)

 Googleは全米仲裁協会(NAF)に被害届を出し、タイプミスされがちな幾つかのドメイン名の権利を勝ち取っている

 数社のセキュリティベンダーも、Google AdSense広告を含む偽サイトにユーザーをリダイレクトすることでタイポスクワッターが利益を上げていることを示す証拠を見つけている。

 フィンランドのセキュリティベンダーF-Secureがタイポスクワッターの格好のターゲットにされていることを訴えてから2カ月以上が経つが、こうした偽サイトは依然として稼動し、Google広告を扱っている。

 Microsoftの研究者によれば、これまでのところ、タイポスクワッティングドメインでホストされているサイトは見つかっていないという。だが同社は、ドメインパーキングサービスのプロバイダーはStrider Typo-Patrol Systemを使えば、自分たちが保管しているドメインについて疑問のある行為を監視できると考えている。

 セキュリティ研究者でハーバード大学博士号候補生のベン・エデルマン氏は、「Googleのドメインパーキングシステムは非常に問題の多い登録でいっぱいだ」と語っている。

 「タイプミスされがちなbankofdamerica.comのような名前のドメインが、収益をすべてGoogleから得ているというのは珍しいケースではない。だがこれは明らかに商標法で禁じられた行為だ」と同氏。

 「だが、Googleはその点を憂慮していないようだ。Googleは広告を表示するための料金をドメイン登録者に支払っているのに、自分たちの広告がどこに表示されるかについては監督しないという奇妙な立場を取っている」とエデルマン氏は続けている。

 Large-Scale Registration of Domains with Typographical Errors(タイプミスされがちなドメインの大規模登録)の問題に関して詳細なリポートも記している同氏は、Googleはこのいかがわしいビジネスを支援していることになる、と指摘している。

 「サイバースクワッターが稼げる利益を大幅に拡大することで、Googleはサイバースクワッティングビジネスを奨励し、ドメイン占拠をもうかるビジネスにしている。それが、この問題をさらに大きくしている」とエデルマン氏。

 「サイバースクワッターによるGoogle広告がまさにその占拠された企業の製品を販促している場合は、特に厄介だ。そうした場合、広告主は自社のスペルミス版ドメインのトラフィック料金まで支払うことになり、結果的にGoogleとサイバースクワッターをもうけさせていることになる」とさらに同氏は続けている。

 「結局、よくないのはGoogleのやり方だ。GoogleはWebサイトオーナーの権利よりも自身の利益を優先している。私はGoogleに対し、この行為を粛正するよう忠告する。広告がどこに表示されるのがいいのかを慎重に検討し、その基準に合わない“パートナー”は排除すべきだ」と同氏。

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