開発者は、互換性サポートモジュールと呼ばれるソフトを開発することで、EFIベースのPCとBIOSベースのOSのギャップを埋めてきた。
このモジュールは、Windows XPやその他のBIOS対応OSをEFI PCでロードできるようにするとファームウェアメーカーは語る。
このモジュールは「レガシー(BIOS)インタフェースをカプセル化して、EFIソフト内でアプリケーションとして実行するソフトだ」とファームウェアメーカーPhoenix Technologiesのプロダクトマーケティング副社長ロバート・ワイズ氏は説明する。
PhoenixやInsyde Technologyなどは、コンピュータメーカーに互換性モジュールを提供している。
これらコンピュータメーカーは、自社のシステムにこのモジュールを追加するかどうかは自分で選択でき、しかもその選択によるコスト面での大きな違いはないとしている。
しかし、Appleが自社のマシンにこのようなモジュールを搭載したかどうかは分からない。新しいハードにこうしたモジュールをインストールしたのか同社に尋ねたが、回答はなかった。
Appleの主な関心事は自社のMac OSを販売することにあるため、一部のOSは同社の念頭になかった可能性もあると観測筋は指摘する。また、デュアルブート、トリプルブートマシンは企業ユーザーの間では珍しく、MicrosoftのVirtual PCなど、Mac OS上でWindowsアプリケーションを実行できるようにする仮想化技術が代用品になるかもしれない。
だがIntel MacとWindowsまたはLinuxからデュアルブートマシンを作ることができれば、Appleハードを利用する企業の選択肢が増えるだろうとアナリストは語る。
「これまで企業にはできなかった多数のシナリオが可能になる」とJupiter Researchのアナリスト、ジョー・ウィルコックス氏は言う。
「CAD作業のツールを考えてみてほしい。優れたCADプログラムのほとんどはWindowsで動く。ほかの作業にMac OSを使いたい企業にとっては、Windowsをブートできれば非常に便利だ」(同氏)
Jupiter Researchの調査によると、従業員1万人以上の米企業の21%がデスクトップでMac OSを走らせている。
WindowsとLinuxは年内にアップデートでEFIに対応する用意をしており、これら企業はもう数カ月待つだけでいいかもしれない。
Microsoftは、Windows VistaはEFIを採用し、BIOSサポートも含むとしている。Linuxディストリビューターは、新しいEFI対応版を提供する見込みだと観測筋は伝えている。
EFIに対応すれば、Vistaと将来版Linuxは互換性モジュールがなくてもAppleのIntelハード上で動作するだろうとファームウェア専門家は言う。
「Macはクローズドなマシンなので、それに何を搭載しないかはAppleが決められる。ある意味では、それが同社にとってMacをよりシンプルにしている」(ワイズ氏)
皮肉なことに、AppleはEFIをいち早くクライアントコンピュータに大規模採用する主要コンピュータメーカーの1社だ。
PCメーカーもそれに続き、向こう数カ月でEFIを多数のマシンで採用し始める見込みだ。
これらのPCメーカーは、自社のマシンに互換性モジュールを追加せざるを得なくなりそうだ。
企業が、購入したPCで複数のバージョンのWindows(Windows XPを含む)やLinuxを実行できるものと期待しているのであれば、ほとんどのハードメーカーは、自社のマシンのEFIフレームワークに互換性モジュールを含めなければならないだろうとInsyde Technologyのステファン・ジェンティーレ社長は語る。
「当社は自社EFIフレームワークファームウェアソリューションで、すべての種類のOSを長期的にサポートするつもりだ。今は需要が大きいため、この互換性サポートが必要だ」(同氏)
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
Special
PR