一方はてなはロングテール型で、「巨大な個人アフィリエイター」(川崎さん)だ。収益の多くを、サイト内に自動表示されるキーワードマッチング広告や、アフィリエイト広告が稼ぎ出す。「今のはてなは、しっぽばっかり食べている」(川崎さん)。小さなアフィリエイト収入が集まって、大きなお金になる。
コンテンツもロングテール型だ。例えばオンライン辞書「はてなキーワード」は、16万もの単語が登録されているが、個々のキーワードは、1日のページビュー(PV)が10程度というものもある。しかし、各キーワードページは検索エンジンと相性が良く、検索でページにたどり着いて広告をクリックする人も少なくない。
梅田さんはGREEのビジネスは“確実感”があると評価する。マス広告をがっちりとつかみ、「ちゃんとやれば儲かると分かっている」(梅田さん)のがGREEだ。山岸さんも「GREEは、(Googleでコンテンツを検索できないため)ロングテール型ビジネスを取りにくいが、ヘッドの方がビジネスが大きいと思う」と話す。
一方で、梅田さんが取締役を務めるはてなのロングテールビジネスは「Web2.0的」で新しい。しかし「ハイリスクと分かっているけれどハイリターンかは分からない」(梅田さん)という、混沌とした状況だ。
梅田さんは「GoogleはMicrosoft以来のプラットフォーム企業」とし、ここ10年ほどはGoogle以上の企業は現れないだろうと予測。GoogleとAmazon、Yahoo!、eBayの4社がプラットフォームを形成している状況はしばらく変わらないとする。
このプラットフォームに乗ったベンチャー企業のうち、何社かはうまくいくだろうと梅田さんは予想する。「その1つとしてはてなが面白い」(梅田さん)
Googleの“次”に来るプラットフォームについて聞かれると梅田さんは「会社かどうかすら分からない」と言う。オープンソースやP2Pなど、梅田さんが面白いと感じている“次の動き”が、会社という形に収まりうるのかが分からないためだ。
次のプラットフォームは、産業が1つなくなるくらいのインパクトを持つものだろうとし、それが現れるまでは、Googleが築いたプラットフォームは崩れないだろうと梅田さんは語った。
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