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慶大生はケータイとmixiの未来に何を見る? (2/3 ページ)

» 2006年02月24日 23時51分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

シチュエーションに応じたタイムリーな情報を配信するサービス

大学生に「何気なくケータイを見てしまう瞬間は?」と聞いたアンケート結果。授業中がかなり多い点に注目。「私は携帯依存症かもしれない」と話す学生もいた

 「タイムリーな消費に対する企画提案に向けて」は、“いつも身近にあり、携帯している”という携帯電話の特徴を生かし、ユーザーが必要とする情報を、シチュエーションに応じてタイムリーに配信すれば便利なのではないか、という研究だ。

 「画面の広さや通信速度などでPCに劣る携帯で、PCと同じプル型情報配信をしても、ユーザーは自分に役立つ情報に出会えないから満足しない」と学生たちは指摘する。今まで「プッシュ型情報配信サービスは難しい」といわれることが多かったが、それは「シチュエーションに応じた、タイムリーな配信ができていないからだ」という主張だ。

 タイムリーな情報配信の例として挙がっていたのが、デートの前日、計画を立てるのが面倒くさい、いい計画が思いつかない、というカップル向けの情報配信サービス。“デートをスポット単位ではなく、総合的にプロデュースする”というコンセプトだ。

 デートというのはどうしても、一人が知っているところにもう一人を連れて行く、というパターンになりがち。その場合、案内したほうは新鮮さを味わえない。

 そこで「世界のビールを飲む」「夜景がきれいなところに行く」といったテーマと、エリア、日時を選ぶと、デート当日に携帯に情報が飛んでくる、というサービスがあったら面白い、というアイデアだ。位置情報や時間情報を組み合わせ、ユーザーの携帯には、オススメ目的地やそこへの道案内、ちょっとした豆知識など、シチュエーションに応じた情報が届けられる。

 また“目標を達成するために情報を発信する、意志の弱い人向けのサービス”という例も面白かった。「ダイエットする」「禁煙する」「資格試験に合格する」という目標を定め、その達成を携帯が手助けしてくれる、というサービスだ。

 例えば「ダイエット」と目標を定めたら、目覚ましが鳴ると「朝起きたら水を1杯飲むとお通じがよくなる」とタイムリーなメッセージが表示され、食事時にはダイエットに適したヘルシーな食事が摂れる店を近所で紹介してくれる。歩く時にはEZナビウォークが起動し、「このルートでここまで歩けば、xxキロカロリー消費できる」といったアドバイスが表示される、という仕組み。また、「運動メニューをこなしたか?」と確認メールが入ったり、「頑張れ!」と応援メッセージが表示されたり……というマネージャー的なこともしてくれる。

 もう1つ挙がっていたのが、「ライブのチケット購入者向けに、SNS型情報を配信する」というサービス。ライブ当日に向けて、「ライブまであと○日です!」といったスタッフからのメールや、ライブの準備風景のスナップ写真、そのアーティストの着メロなどがスタッフから届く。それを受け取っているうちにだんだんと当日への期待が高まり、興奮も盛り上がる、というものだ。また、同じライブに行くなど、共通の話題を持つ人とは仲良くなりやすい。そこで、同じライブへ行くほかのファンとのコミュニケーションをBBSや日記、メッセージングなどで手助けする、というものだ。

 例えばファンクラブのサービスなどという位置づけなら、これを実現するのはさほど難しくなさそうだ。ライブでなくても、演劇やスポーツ観戦といった、日時が決まっていてある場所へ出かけて体験を共有できるものであれば、同種のサービスは提供できる。ある意味「携帯とリアルとの連携」の新しい形ともいえる。

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