ITmedia NEWS >

ビル既存ファイバーで10Gbps通信 富士通

» 2006年03月03日 20時16分 公開
[ITmedia]

 富士通と富士通研究所は3月3日、量子ドットレーザーとビル構内の既存光ファイバーを利用した10Gbpsの通信に世界で初めて成功したと発表した。

 多くのビルの既設ファイバーに使われているマルチモードファイバー(MMF)上で伝送実験を行い、10Gbpsで300メートルの伝送に成功した。80度の高温でも安定していたという。

 量子ドットレーザーはガリウムヒ素などを利用した化合物半導体光デバイス。温度に依存せず動作できるため、従来のレーザーに必要な温度コントローラー内蔵パッケージが不要で、低コスト化が可能になる。

 既存ファイバー長は300メートル以下がほとんどなため、量子ドットレーザーを使って低コストに10Gbps通信が可能になるとしている。

 10GbpsのEthernetでは、IEEEが「LRM」(Long Reach Multi mode fiber)の標準化を進めている。通常のMMFでは10Gbpsで80メートル程度の伝送しかできないが、これを電気的に補償することで長距離伝送を可能にする。富士通は標準化の動向に合わせ、量子ドットレーザーを使った光モジュールの製品化を検討する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.