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Office 2007β1、リフレッシュ版が間もなくリリース

» 2006年03月10日 14時31分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは3月13日の週に、「Microsoft Office 2007」β1のTechnical Refresh版をテスター向けに提供する計画だ。

 同社の広報担当者はeWEEKに、これには新しいユーザーインタフェース(UI)の最新ビルド、テスターからの報告が多かったバグのフィックスが含まれ、その結果、全体的に安定性と信頼性が高まっていると語る。

 「このTechnical Refreshは、公開β2で質の高いテスト体験を提供することに向けた新たな一歩だ。公開β2は今春リリースに向けて順調に進んでいる。Office 2007対応の準備をする最善の方法は、アップデートに申し込むことだ」とこの担当者は述べている。

 新しいUIの最新ビルドは初めにβ1で公開されたときよりも完成に近くなり、洗練されたとこの担当者は語る。Microsoftは、このUIはユーザーがより良い結果をより速く、簡単に得られるよう設計されたとしている。

 新UIの最新の外観と追加の説明は、このWord文書で見ることができる。

 この新しいUIは、ユーザーが「どのように使うか」よりも「何をしたいか」にフォーカスできるよう設計された従来のOfficeのメニューとツールバーに取って代わるものだ。

 Microsoftは、顧客は既存のUIがトップレベルメニュー構造の下に機能を隠しており、機能を見つけるのに多くの場所を探さなくてはならないと感じていたため、新しいUIでは4つの大きなデザイン上の目標を設けたとしている。ソフトウェア体験を全体的に簡単にすること、見た目の乱雑さやじゃまなものを減らすこと、機能を見つけやすくすること、見栄えのいい文書の作成をサポートすることの4つだ。

 しかし、このような変更には課題がつきものだ。Office 2007の場合、この変更のために費用の掛かる大掛かりなスタッフの再トレーニングをする必要はないということをユーザーに納得させなければならない。

 Microsoftのインフォメーションワーカー製品管理部門上級マーケティングマネジャー、クリス・シュナイダー氏は、顧客リサーチとテクニカルβプログラムで得たユーザーデータは、新しいUIの学習曲線が小さいことを示していると語る。

 「このため、ユーザーの生産性に影響はないと思う。それを別にしても、ユーザートレーニングがITスタッフにとって重要な問題だということは分かっている。当社は、ITスタッフ向けのカスタマイズ可能なトレーニング資料など、たくさんの新たな種類のトレーニングを提供するつもりだ」(同氏)

 しかし、eWEEK Corporate Partnerでもある米国立関節炎・筋肉・皮膚研究所(NIAMS)のロバート・ローゼンCIO(情報統括責任者)のような一部の企業顧客は、まだ納得はしていないと話している。

 Office 2007の新しいUIとファイルフォーマットの変更は、「大きな懸念事項であり、採用をかなり減速させるだろう」と同氏は言う。「われわれはOffice 2007のメリットについてよく知らないので、まだ何の計画も立てていない」

 JupiterResearchのアナリスト、ジョー・ウィルコックス氏は、Microsoftが何か新しいものを導入したときには混乱が起き、それによりヘルプデスクのコストや従業員のダウンタイムが増えると語る。「これに付いてくるメリットを得るには、新しいUIに関して必要な再トレーニングは何であれ避けなければならない」

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