米Dellはさらなる成長を渇望している。
Dellのケビン・ロリンズCEO(最高経営責任者)は、同社は大改革――同社ではこうした刷新が4〜5年おきに起きているようだと同氏は言う――を経験しているところだが、これまで以上に強くなるだろうと語った。
同社はこのところ一連の問題に直面している。ロリンズ氏は、その幾つかは自身の行為によるものだと話した。
コスト競争力、サービス、サポートで勢力を伸ばすHewlett-Packard(HP)の攻勢、そしてDellの顧客満足度の低下が相まって、Dellのいつもの迅速な成長は減速し、2〜4月期の利益は予測を下回った。
これにより、一部ではDellの直販モデルは今後も有効なのかという疑問が出ている。だがロリンズ氏は、同社は好転すると確信していると話した。
「Dellでは4〜5年おきに再調整の期間がある。理由は分からないが、Dellの20年の歴史の中でずっとそうだった」とロリンズ氏はBear Stearnsのテクノロジーカンファレンスの質疑応答セッションで語った。
「だが今回は、当社が取り組んできた中で、これまでよりもはるかに良い戦略的地位、経営状況、主導的地位にある」(同氏)
Dellを軌道に戻すために、体制への「2〜3の調整」が行われているところだとロリンズ氏は言う。
Dellはこの数週間、1億ドルをかけて顧客サービスとサポートを刷新する計画を発表し、新製品の提供――例えば、同社はAMD、Googleと提携している――を約束し、より積極的な価格設定を始めている。
ロリンズ氏は、より積極的な価格設定――Dellは6月13日の時点で、デスクトップPC「Dimension 1100」とノートPC「Inspiron 1300」を中小企業向けにそれぞれ(リベート適用後)299ドル、449ドルから提供している――と、サービス改善により、顧客を引き戻して上昇軌道に乗り続けられるだろうと語った。
Dellはこれまで、市場の成長より早いペースで出荷台数を伸ばしてきた。だが第1四半期のDellの出荷台数の伸びはわずか10.2%、これに対して市場の成長率は12.9%だった(IDC調べ)。
だがロリンズ氏は慎重に、PCの価格戦争に触れることは避け、DellとHPのコストには引き続き差があり、Dellはこれを利用して有利な価格付けができると指摘した。
「競合他社が成長している中で、(Dell)全体の成長を加速するチャンスがあると思う。当社は価格を活かしてそれをやれる」(同氏)
「引き締めで市場がやや減速する時期もある。価格設定を活用して販売を伸ばし、市場シェアをつかむのとは正しいことだ」
Dellは取り組みの一環として、顧客の問題をより迅速に解決するために、約5000人のサポートスタッフを再トレーニングした。
同社はまた、技術者が顧客のシステムをリモートから操作して、ドライバ問題などのソフトの問題を解決したり、スパイウェア問題の診断を支援できるようにする新しいオンラインサポートツールを投入した。
同社は製品ラインも刷新する。同社は2006年後半から、初めてAMDのOpteronプロセッサを搭載したマシンをサーバラインで提供する。またGoogleのソフトを一部PCにプリインストールする提携も結んだ。
ロリンズ氏は、顧客がAMDプロセッサを求め、Googleソフトを使いたいと要望したため、Dellはこれに応えていると語った。だが同氏は、Dellが近いうちにデスクトップPCなどほかの製品でもAMDプロセッサを採用するかどうかまでは言わなかった。
AMDベースのDell PCについての質問に、同氏は「分からない」と答えた。「これまでやってきたこと以外は何も発表していない。当社の焦点は技術と顧客の要望に立ち返っている。AMDは優れた製品を持っている。それがどう展開するか見ていかなくてはならない」
確かに、ロリンズ氏は製品ラインアップの刷新には新しいIntelベースのシステムも含まれると語った。
Dellは、Intelの次期Coreアーキテクチャプロセッサ3種すべてを採用した。それにはサーバ向けのXeon 5000シリーズ(「Woodcrest」とも呼ばれる)と、デスクトップPC・ノートPC向けのCore 2 Duoプロセッサが含まれる。
ロリンズ氏は、DellとIntelのパートナーシップは強力だと語った。
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