米IBMは、3カ所のスーパーコンピューティングオンデマンドセンターに15TFLOP以上の処理能力を追加し、同サービスの需要増に対応する。
ニューヨーク州アーモンクに本拠を置く同社は、これらセンターに設置されているスーパーコンピューティングシステム「Blue Gene」の処理能力を強化するとともに、AMD製Opteronプロセッサベースのブレードシステム「BladeCenter」を追加する、と同社のディープコンピューティング担当副社長、デビッド・ジェラルディ氏は語った。
このほか、IBM製Power5+プロセッサベースのシステムも追加する。3年前にこのComputing Capacity on Demandプロジェクトが始動されて以来、Powerプラットフォームベースのコンピューティングリソースは今のところまだわずかしか提供されていない。
ジェラルディ氏によれば、MSC Softwareなどのソフトウェアパートナーからの要望や、Power上でAIXや一部のLinuxの作業負荷を処理することへの関心が強まっていることから、Power5+システムの追加を決めたという。
Opteronベースのブレードサーバ「BladeCenter LS20」の追加は、x86の作業負荷をブレードサーバで処理するという同センターにおける最近の傾向に対応したものだ、と同氏は説明した。ブレードサーバにおける従来のラックサーバを上回る密度およびネットワーキングの向上は、IBMとエンドユーザーの両方にメリットをもたらすとしている。
これらのセンターには1年前に第1弾のブレードサーバが導入されており、現在これらのサーバが非Blue Geneサーバに占める割合は40%に至っているという。この割合は今後も高くなるとジェラルディ氏は見ている。
「私が進めているテクノロジーのリプレースはブレードの方向に進んでいる」(ジェラルディ氏)
同センターには、コンピューティングキャパシティを必要とする顧客がアクセスできる巨大なコンピュータシステムが設置されている。ジェラルディ氏によれば、当初IBM幹部陣はこのサービスの対象は主に、処理作業を完了させるために短時間利用する企業だろうと予測していた。
しかし実際の需要は、異なる考えを持つ顧客の間で増えていった。
「顧客は、いわゆるオフサイトコンピューティングに目を向け始めている。自分たちの事業計画を拡張させる極めて妥当な手段として、自力でできる以上の能力と柔軟性をもたらす手段として」(ジェラルディ氏)
コンピューティングパワーをサービスとして提供する方法を検討するOEMもいる。昨年、米Sun MicrosystemsはSun Gridプロジェクトを立ち上げ、CPU時間当たりわずか1ドルの料金で企業向けにコンピューティングパワーを提供している。
ジェラルディ氏は、作業の一部をオフサイトで処理する考えに対する顧客の安心感は増しているようだとし、特にセキュリティ面で同センターにはIBMの専門知識とセキュリティが備わっていると強調した。
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