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Spansion、4ビット多値技術で新分野に進出

» 2006年10月02日 18時41分 公開
[ITmedia]

 富士通と米AMD合弁のNOR型フラッシュメモリメーカー・米Spansionのバートランド・カンブー社長兼CEOが来日し、1セル当たり4ビットのデータを記録できる新技術を披露した。チップの低コスト化が可能になり、携帯プレーヤーなどの新分野に進出を図っていく。

 新技術は「MirrorBit Quadテクノロジ」。で、1つのメモリセルに4ビットを記録する多値化技術。セル当たりの容量が増加するため、同一プロセスのNAND型と比べてセルサイズを最大30%小型化できるという(関連記事参照)

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 今年後半に512Mビット、1Gビット、2Gビット品をそれぞれ90ナノメートルプロセスで製造する計画。2007年には65ナノメートルプロセスによる1G〜16Gビット製品の製造を開始する予定だ。

 このほど3番目の新事業部「メディア・ストレージ・ディビジョン」を発足した。新メモリを活用し、大容量が必要なメディアプレーヤーや半導体ディスクなどのインテグレート市場に進出する。

photo カンブー社長兼CEO

 同社は先月、富士通に福島県会津若松市の生産拠点「JV1」「JV2」の2棟を売却すると発表した(関連記事参照)。売却で得られる約170億円は、同市内の別の拠点「SP1」の300ミリウエハー・65ナノメートル以降対応ラインの整備などに充てる。富士通は取得した施設でSpansion製品の受託製造を行うほか、フラッシュマイコンの生産を拡大する。

 カンブー社長兼CEOは「売却した工場の資産は新しい戦略分野に投下される。4ビット技術で新分野を市場に加えることができ、フラッシュメモリの最先端技術として成長していけるだろう」と話した。

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