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MSが語るIE 7のセキュリティ、Firefoxの脅威(2/3 ページ)

» 2006年10月19日 18時05分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 また、シェア氏はFirefoxがもたらす競争上の脅威について尋ねられると、「企業顧客と話をする際には、Firefoxのことはあまり話題に上がらない。ユーザーが個人として使うものと、企業の標準となるものには明確な区別があるからだ」と答えている。

 「典型的なFirefoxユーザーは、熱心なITユーザーである場合が多い。だが、当社のほとんどすべての顧客企業では、依然としてIEが標準となっている。IEの機能は今さら排除できない。顧客企業はIE上に基幹業務アプリケーションを構築し、ユーザーにも既にその使い方をトレーニング済みだ」と同氏。

 さらにIE 7は、Windows Vistaに搭載されるブラウザでもある。その点は、企業顧客にとって喜ばしいことだ。なぜなら、企業はXPデスクトップとVistaデスクトップで共通のブラウザ環境を持てることになるからだ、とシェア氏。

 VeriSignなどの顧客企業も、このブラウザ新版とそのセキュリティ機能の改善を歓迎している。「当社は、Microsoftの新しいIE 7ブラウザがユーザーの信頼を高めるのに役立ち、ユーザーがより安全にインターネットを使えるようにしてくれるものと確信している。われわれはユーザーに対し、新版へのアップグレードを奨励している」とVeriSignの製品マーケティング担当ディレクター、ティム・カラン氏は語っている。

 またシェア氏は、Vistaでは、どのような機能によりブラウザ体験が改善されるのかと問われ、「消費者市場では、プラットフォーム機能の1つであるペアレンタルコントロールにより、ネットワークを介して対話するあらゆるソフトウェアがこれまでよりも高度な安全性を享受できる」と答えている。

 企業にとって最も重要な違いは、プロテクトモード機能だ。これは、Windows Vistaの新しいユーザーアカウントシステムをベースとしたもので、この機能により、事実上、IEは標準ユーザーよりもさらに低い権限で実行できる。

 「実際には、ブラウザのサンドボックスのようなものだ。将来の未知の脆弱性に対して防御できる、非常に優れたセキュリティ機能となる。IE 7がXP向けに提供されるおかげで、ユーザーも、VistaやVistaがもたらす各種の優れた新機能に対して準備を整えられる」と同氏。

 Microsoftは、IE 7 for XPについてはβ版(パブリックビルド)を6個リリースしており、そのうち5つは今年提供された。そのため、ITプロフェッショナルや開発者らはこうしたβ版を使って新版をテストでき、それが互換性の改善につながった、とシェア氏。

 PayPalやVisaなどの金融サービス企業も、自社の顧客をフィッシング攻撃から保護する必要性から、顧客にIE 7へのアップグレードを促すことになるだろう。

 PayPalの最高情報セキュリティ責任者、マイケル・バレット氏は次のように語っている。「セキュリティはPayPalにとって最優先項目であり、われわれは顧客に対し、Windowsを使ってIE 7をダウンロードし、利用するよう奨励している。IE 7は、セキュリティが大幅に改善されている。インターネットを閲覧したり、オンラインで通信や取引を行うときに、顧客が自分の個人情報を保護できるようにするための各種の機能が含まれている」

 またYahoo!などの企業は、自社向けに最適化したカスタム版のIE 7を開発している。「Yahoo!は第3β以来、カスタマイズ作業を行ってきた。ユーザーには通常のIE 7のように見えるだろう。これも、このプラットフォームに対する強力な支持を示すものだ」とシェア氏。

 IE 7の最も重要な特徴として挙げられるのは、セキュリティ面での多くの改善、タブブラウジング、RSSフィードのほか、RSSデータを使いたいアプリケーションがそうしたデータを利用できるようにするためのプラットフォームなどだ。

 「RSSプラットフォームを活用する方法については、開発者は幾らでも可能性を考えられる」とシェア氏。

 また同氏によれば、さらにIE 7には、企業が同ブラウザを導入しやすいようにするための多数の機能が含まれる。グループポリシーサポートの改善のほか、企業が自社のデスクトップ用に同ブラウザのカスタム版を構築できるようにするためのIE管理キットのアップデート版などだ。

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