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ゲイツ氏が語る過去と未来、そしてGoogle(2/2 ページ)

» 2006年11月17日 17時12分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK
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企業向けバージョンが11月末に登場するVistaについて

 「新しいアプリケーションで利用できる、もっとリアルタイムなコミュニケーションといったようなものを提供する。検索はより優れたものになり、アプリケーション自体も機能が向上し、ペアレンタルコントロールも組み込む。全般的なメジャーアップグレードとなるが、価格は以前(Windows XP)とまったく同じまま据え置く」

 「確かに予定よりも遅れはした。しかしきちんとさせたかった。今回のことでWindows 95を1995年の後半にリリースした時のことを思い出す。この時も計画よりかなり遅れた。Windows 95のコードネームは『シカゴ』だったので、これがやっと登場した時、ある競合企業は『シカゴ行きの全便に遅れ』という新聞の全面広告を出した」

起業家のウォーレン・バフェット氏が、Bill and Melinda Gates Foundationに今後数年で310億ドルを寄付する(16億ドルは既に移転済み)と発表したことについて

 「ウォーレンの行為には目を見張った。世界のための慈善利用促進の目的で自分の財産の大部分をわれわれのような財団に残すとは。本当に素晴らしく、同時につつましい行為だ。(この資金の利用に)私たちは最善を尽くすだけだ。重要なやり方で社会に還元するよう努める。ある意味責任を感じる」

 「マラリアやエイズなどの病気については、ワクチン発見のためできるだけ早く手を打ちたい。マラリアのワクチンは比較的早期に開発できると確信している。毎年100万人の子供がマラリアのため、50万人がロタウイルス(主に子供が感染する胃腸のウイルス)のために死亡しているという現実は厳しい。マスメディアは100人が死亡したインドの航空機事故については報じるのに、アフリカでその1000倍もの人が栄養失調や病気で死んでいるという事実を伝えないことに、ややいら立ちを感じる」

米国は学生に数学と科学を学ばせ、その分野にとどまらせるという点でインド、日本、中国、ドイツなどの国に後れを取らずにいる

 「米国が現在のような主導的地位を長い間維持できたのは幸運だった。人口が世界の5%にすぎない中で、わが国のリーダーシップは際立っている。これほど長い間先頭に立っているという点で、わが国は非常に特別だ」

 「新しい経済に新しい頭脳が流入する中、テクノロジーのおかげでわれわれすべてが恩恵を受ける。しかし(人口の)増大は圧倒的だ。(イノベーションにおいて)世界がわが国に追いついてくることに慣れる必要があるだろう」

立ち上げ当時のMicrosoftについて

 「会社を起こすため私がアルバカーキに引っ越した時(1970年代半ば)、何か大きなことが始まりそうだという認識があった。われわれは9人ほどを採用し、本人と家族が引っ越さなければならなかった。リスクはあるが真剣勝負だった」

 「ソフトウェアビジネスの小さな一画をものにできるとずっと思っていた。その時まで、企業はハードとソフトの両方を手掛けるのが普通だった。結果的にわれわれは小さな一画以上のことをやった」

いつかハーバードに戻って学業を修了する可能性について

 「ハーバードは『休学中』だと考えたい。両親は私の卒業を望んでいる。ただ、復学の可能性はあまり高くない」

 制作に携わる地元のプロデューサーによれば、このインタビューがPBSでいつ放映されるのかは分からないという。ローズ氏の番組が放送されるのは、「制作に手間取らなければ2日以内かもしれないし、手間がかかれば1カ月先になるかもしれない」と、制作アシスタントはeWEEKに語った。

 この番組の制作に手間取ることはなさそうに見える。最初の数分、ゲイツ氏を紹介している時にローズ氏のマイクがうまく機能しなかったことを除けば。

 「マイクが入っていないだって?」。聴衆の笑いに応え、ローズ氏は冗談めかして言った。「なんだって紹介でみんながこんなに面白がっているんだろうと不思議だったんだ」

TechNet、グリーンテクノロジー・イニシアティブを披露

 このイベントでTechNetは新プロジェクトの「グリーンテクノロジー・イニシアティブ」を発表した。国家安全と地球温暖化などグローバルなエネルギー・環境問題への対応を強化するため、米国が環境保全の「グリーンテクノロジー」採用の姿勢を強めることを議会に働き掛ける。

 TechNetイノベーションサミットの出席者はこのほか、Sun Microsystemsのスコット・マクニーリー会長、Netflixのリード・へイスティング会長兼CEO、Yahoo!のジェリー・ヤン共同創業者、ITベンチャーキャピタル会社Kleiner Perkins Caufield & Byersのパートナーを務めるジョン・ドエル氏、National Semiconductorのブライアン・ハラ会長兼CEOなど。

 グリーンテクノロジー・イニシアティブはTechNetのCEOと上層部が主導する。

 Sun Microsystemsなどの一部企業は既に取締役レベルの管理職を置き、リサイクル、電力節約、再生可能燃料の活用といった「グリーン」ポリシーを会社の世界中の拠点で日々確実に遂行させる責任を持たせている。

 「TechNetグリーンテクノロジー・イニシアティブは、政府と業界が深刻な環境・エネルギー問題解決に向けこうした技術を使うためのロードマップを提供する」とTechNet共同創設者のドエル氏は話す。「これを正すための時間はあと数年しかない。イノベーションのパワーこそがこの危機と闘うための先鞭となる」

 TechNetはドエル氏とNetscape元CEOのジム・バークスデイル氏、CiscoのCEO、ジョン・チェンバーズ氏が1997年、米国のイノベーションと技術的リーダーシップに影響を与える政策形成の目的で組織した。

 TechNetがサミットで報告したエネルギー問題の現状は以下の通り。

  • 米国は世界最大の石油消費国で、世界の1日の消費量の25%を占めるが、世界の石油貯蔵量に占める割合は1%に満たない。一方、中東は世界の石油貯蔵量の61%以上を占める(米エネルギー省)
  • 太陽の力:わずか20日分の太陽光エネルギーは、地中に埋蔵された石炭、石油、天然ガスのエネルギー全量に匹敵する(エネルギー情報局)
  • 太陽光や風力など再生可能なクリーンエネルギーで発電されるのは、米国の電力のうち約2%。一方、わが国の電力のほぼ90%は石炭や原子力といった従来からの資源で発電されている(米エネルギー省)
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