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2chねらーから人材募集 ドワンゴと応募者の“本心”(2/2 ページ)

» 2007年04月13日 10時12分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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画像 「仕事は本当に楽しい」と齊藤さん

 正社員になりたいとも考えていたが、一般の転職サイトには登録していなかった。「正社員の募集は学歴を重視していることが多く、応募をためらうことがある」と齋藤さんは打ち明ける。

 そんな時、偶然目にしたのが、ITmediaに載った「ドワンゴが2chねらーから人材募集」という記事。「2chで募集をかけるなんて、面白そうな企業だなと思った」。ドワンゴについては、着メロの会社というだけでなく、子会社ニワンゴの「ニコニコ動画」も知っており、興味を持った。

 一般の中途採用ではハードルになりがちな高校中退という学歴も、条件にぴったり。この記事から2chのプログラマー板にアクセスし、フォームから応募した。「2ch上での募集は堅苦しくなく、応募しやすかった」

 自信はなかったが、書類審査を通過し、面接の案内を受け取った。初めて訪れたドワンゴ。会長と千野さんの話を聞き、面接に臨んだ。「会長も、いい意味で偉い人らしくなくて、思った通り、面白そうな会社だった」

 面接で出会った他の4人は「みんなプログラミングが大好きで同類と感じた」という。うち2人とは、面接が終わった後喫茶店で2時間も話し込んだ。1人は今、同僚だ。

「大丈夫かな?」と思ったが……

 「大丈夫かな? と思った」――5人を最初に見た印象を、千野さんは振り返る。5人ともおとなしく、自信を表に出さないタイプだったという。

 だがその不安は面接で根掘り葉掘り聞くうちに解消され、最終的に3人に内定を出した。採否の決め手の1つは、開発の過程も楽しめるかどうか。「作ったものを使って人に喜んでほしい、という人は多いが、作る過程も楽しめる人はなかなかいない」

2次募集も

 「2ch上での募集は、優秀な技術者を集めるのに有効だと分かった」(千野さん)――今回の成功を受け、2次募集を始めた。「17〜22歳」としていた年齢条件に「0x17〜0x22歳」を追加して大幅にハードルを下げた。初回募集時の「日本語で十分コミュニケーションが取れる方」という条件が「世間一般より高いコミュニケーション能力が必要なのでは」という誤解を招いたため、「日本語でなんとかコミュニケーションが取れる方」に変更し、間口を広げた。

 採用第1号だった齋藤さんは、入社してから2週間。仕事を心から楽しんでいる様子だ。応募を迷っている人へのアドバイスを聞くと、「考えているより2乗……4乗……いや、256倍いい会社だと思いますよ」と笑った。

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