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「無線LANはどこだ……」――「mylo」手に「FON」を求めてスペインへ(3/3 ページ)

» 2007年05月18日 19時12分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 と突然、myloに「FON_AP」の文字が。にわかに信じられず、恐る恐るWIRELESS LANスイッチをもう一度スライドし、APを再検索してみる。また表示された。FONのAPが確かにある! アルハンブラ宮殿から出てしばらく歩き、坂を下った所にある広場のバスターミナル。FONの弱い電波が、確かに入っている。

 ドキドキしながらmyloをFONのAPに接続。しばらく待つと、「接続しました」の文字が。やった! とうとうつながった!!


画像 とうとう出会えた「FON」
画像 mixiにも書き込んでみた

画像 つながったのはこんな場所。グラナダ観光のハブとなる広場の近くの建物そばだ

 スペイン旅行6日目にしての快挙。砂漠でオアシスを見つけたというか、片思いだと思い込んでいたのに両思いだと分かった瞬間というか――とにかく嬉しく、足の痛みも忘れてmyloをいじり、mixi、Twitter、Skypeとアクセスし、震える指で「FONつながった!」と書き込みまくる。「記念に」とITmediaにアクセスしてみたりもした。

 つながったのは、マンションのような建物の前。おそらくここに住むスペイン人の1人が、FONを利用しているのだろう。東京の記者の家にあるのと同じルーターがこの場所にあり、所有者は記者と同じように「みんなで無線LANを共有したい」という思いでAPを開放してくれているのだろうか――見知らぬスペイン人を想像し、わくわくし、感謝する。ニヤけながら、「私に無線LANを分けてくれてグラシアス!!(スペイン語でありがとう)」とつぶやいてみたりする。

 グラナダの道端で、小さな携帯端末をにらんで立ち尽くし、その端末の写真を撮りまくる記者。スペイン人から見ても相当怪しかったようで、道行く人に何度もじろじろと見られてしまった。でも気にしている場合ではない。何しろ、FONにつながったのだから。

 mixiに「FONつながった」と書きながら、「この場所の写真を撮って載せたいなぁ」と強く感じた。myloにメモリースティックスロットがあり、メモステの画像は取り込めるのだが、記者が持っていたデジカメは、SDメモリーカードとコンパクトフラッシュにしか対応していない。せっかく写真を撮ってもすぐに載せる術がない。とても残念だ……

 Skypeへの接続も試みたが、オンラインの友人は1人もおらず断念した。日本時間の午前1時ごろだったのだが、Skypeに登録していた友人の数がもともと少なかったためみんなオフライン。残念だ。

 Gmailでメールチェックしようとしたが、myloがGmailのセキュリティー機能に対応していない、とのエラーメッセージが出てNG。FONのAPを確認しようとFONマップにもアクセスしてみたが、これも表示できなかった。これまた残念。

サグラダファミリア前でも

画像 右手奥に見えるのがサグラダファミリア。こんな場所でもつながって感激だ

 グラナダから夜行列車に乗り、翌日到着したバルセロナ。ここはこれまで訪れたどの都市よりもFONのAPを見つけやすかった。

 一番感激したのは、サグラダファミリアに続く広いまっすぐな道の途中でFONを見つけたとき。サグラダファミリアのほんの50メートルほど手前で、「サグラダファミリアを見ながらmixiを更新できるなんて幸せすぎる」と興奮しながら接続。「Wikipedia」に接続し、サグラダファミリアについて調べてみたりした。

 バルセロナ滞在した2日間、街中の計4カ所でFONのAPが見つかった。また、FONではないが、中心部の広場「ランブラス広場」には誰でもつなぐことができる公衆無線LANが整備されており、myloのような端末さえあればネット接続を楽しめることが分かった。

「偶然の出会い」が楽しい

 FONは、ユーザーが自宅の無線LANを開放するもの。FONの地図上では「APがある」と表示されていても、電波の到達範囲がそれほど広くなく、APが生きていると保証していないこともあり、行ってみるまでそのAPにきちんとつなぐことができるかは分からない。

 ただそれだけに、つながった時の喜びはひとしおだ。特に海外でFONのAPを見つけると「見知らぬ外国人が、同じ気持ちでAPを開放しているのか」と興奮する。


画像 FONのAPにつないだ記録は「旅日記」として記録される。右端にある「Barcelona」の文字が誇らしい。グラナダでつながった時の位置情報はとらえられなかったようで「???」となってしまった

 必ず無線LANにつなぐ必要があるなら、FONに頼らず商用無線LANを契約したほうがいい。ただ、旅先で見知らぬ人の無線LANに偶然の出合えるのは、旅で出会った見知らぬ人と心を通わせられたような興奮がある。

 myloは小さくて軽く、旅行中に常に持ち歩いていても負担にならない。しっかり手になじむから、WIRELESSS LANスイッチをスライドさせながら握りしめていても違和感がなく、AP探しにはうってつけ。ただスリープモードがないため、携帯と同じ感覚で電源オフにせずにポケットにいれてしまい、電池を激しく消費していて焦ったことが何度かあった。

 いろいろとトラブルもあり、あきらめかけたこともあったが、最終的にはFONにつなぐことも、mixiを更新することもできた。インターネットに国境はないという、当たり前だがなかなか実感としてとらえられないことを、手に取るように感じられた旅だった。

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