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“スカウター”デザインの新型眼鏡ディスプレイで通勤を天国に

» 2007年05月21日 19時39分 公開
[ITmedia]
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 光学・分析機器開発のスカラは5月21日、眼鏡に装着して映像を楽しめる超小型ディスプレイ「Telegrass T3-F」を開発したと発表した。「2メートル先の28インチ相当」の画面を表示でき、片眼式のため周囲の視界も確保でき、外出先での利用もしやすいのが特徴。主に産業向けに初年度3000台・30億円の販売を見込むが、個人向けにも22日から同社Webサイトで販売する。価格は9万8000円(税別)。

 0.24インチ23万画素(320×240ピクセル)の液晶ディスプレイを搭載し、iPodなどの携帯プレーヤーと接続して映像を楽しめる(音声はヘッドフォン)。電源は外付けの単三形乾電池×2本を使い、連続2時間の連続使用が可能としている。

 本体は伸縮式で、非使用時は短くなって眼鏡の側面に収まっているが、使用時はボタンを押すと本体が伸び、ディスプレイ部が目の前に現れるギミックを備えている。本体の重さは約35グラム。

photo ワンプッシュで伸縮し、非使用時は視界を妨げない(2枚の写真を合成)。伸縮時はギヤが「ぎゅいーん」とかなり大きな音を立てる。ビデオメッセージを寄せたウェアラブルの第一人者、塚本昌彦神戸大学助教授は「稼働音がSF的」と

 眼鏡フレームは本体を接続するアタッチメント用の穴を備えた専用品。国産眼鏡の9割を製造する産地・福井県鯖江市のメーカー、エクセル眼鏡と共同開発し、チタンを採用して軽量にした。標準セットに含まれる眼鏡には度が入ってないが、ユーザーの視力に応じ、眼鏡店で度付きレンズに変更できる。

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 同社は2005年に第1弾のHMDを開発(関連記事参照)。100台限定で予約を受け付けたところ、「即日完売した」という。その後第2弾になるはずだった「T2」も開発したが、これは世に出なかった。

 新製品「T3」は、「ドラゴンボールのスカウターのイメージ」(同社)でデザイン。マニュアルを見ながらの現場作業といった用途を想定しているが、初代の成功から映像マニア層からの注文も少なからず見込む。同社の清原大三技術部長は「都会の“通勤地獄”を“通勤天国”に変えるツールに」と話している。

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