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2010年には「マルチバース」時代に NRIが仮想世界ロードマップ発表

» 2007年05月25日 20時03分 公開
[ITmedia]

 2009年から3次元仮想世界を活用したビジネスが本格化、10年以降は多様な仮想世界が誕生する「マルチバース」(Multiverse)時代に──野村総合研究所(NRI)は5月25日、「Second Life」に代表される3次元仮想世界の動向を予測したロードマップを発表した。

 3次元仮想世界は「メタバース」(Metaverse)とも呼ばれ、ユーザーが作成したコンテンツが仮想通貨を介して取引されるなどの特徴がある。

 ユーザーコンテンツの増加が他のユーザーの呼び水となり、ユーザーとコンテンツがそれぞれ増えていく好循環が生まれやすくなる。ロードマップによると、08年まではこうしてユーザーとコンテンツが増え始める普及期。3次元の特性をいかしたマーケティング手法や、仮想世界でのビジネスの可能性を模索する実験的な活用が始まるとしている。

 09年にはPCのグラフィックス性能が向上し、一般ユーザーによる仮想世界の利用が進むと、ビジネスも本格化。電子商取引(EC)の基盤構築とマーケティング手法がこの時期に確立すると期待され、従来のWebサイトなどとは異なる誘導や顧客行動の分析手法が検討されるという。また法整備の検討も必要になると予測している。

 10年以降は、仮想世界構築用のサーバソフトがオープンソース化され、誰でも容易に自分の仮想世界を作れるようになる。ある世界では自由なコンテンツの創造と流通を重視し、別の世界では企業が運営する、満足度の高い体験ができる──など、ユーザーニーズに応じて複数の仮想世界が併存する「マルチバース」時代が期待できるという。

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