学ぼうかどうか悩むより、まず早く始めてください――サイバー大学吉村作治学長(2/2 ページ)

» 2007年07月09日 10時00分 公開
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良質な授業コンテンツ

ITmedia 授業コンテンツの質の確保にはたいへん気を遣っていると聞きました。

吉村学長 授業の収録が終わった段階で、まったく利害に関係ない他大学の学生をアルバイトで雇って、できあがったコンテンツを見せ、いいとか悪いとかではなく、「ここが分からないとかここをこうしてほしい」というような要望を出してもらいます。それを踏まえ、作った先生にこういう風に評価されていますからここを直して下さい、とお知らせします。例えば「専門用語が多くてそれをフォローできないから用語集を作ってくれ」という要望が出れば、用語集をつくってクリックすれば分かるようにするとか、いろいろな方法が考えられると思います。これは全授業について行っていく方針です。

 次に、見識のある教える立場の人に、差別用語のチェックや、「あー」とか「えー」などのつなぎ言葉が多すぎるとか、間が悪い、速すぎるなどということについてチェックしてもらいます。これも全授業についてです。

 そして3番目として専門家によるチェックです。その先生と同じ分野で、かつ面識のない人に依頼します。ただ、これは全部行うと大変な金額になってしまうので、例えば全15回の講義のうち1回分を抜き出して見てもらいます。そこで「問題ない」となればそれで終わりですが、「これは問題だよ」となったら残りの回も全部見てもらいます。見てもらった授業の先生には誰に見てもらったかというようなことは伝えません。そのチェックで大きな問題が生じた場合は、先生のところに「すみませんが撮り直してください」とお願いすることになります。実際に既に撮り直した授業もあります。

トップクラスの大学を目指して

ITmedia 大学によっては学生が先生を採点するというような経営をしているところもあるようですが、サイバー大学はいかがでしょうか。

吉村学長 学生が先生を採点するのは間違いだと思っています。サイバー大学では、採点式ではなく、アンケートを採って、それによって学生が要望していることを改善しようと思っています。点数を付けることは、その姿勢が学生にへつらっているということで、学生と先生の立場が逆転して大学の経営は成り立たないと思っています。私はそういうやり方ではなく、講義を受けている人たちが、どんなところが自分にとって受け入れられないか、採点ではなく文字で書いてもらっています。

 採点の話から少しはずれますが、先生は商品を作る工場のようなもので、それが不良品だったら改善を重ね、それでもだめだったら取り替えるしかない、というのが私の考えです。これが大学の良心でしょう。そういうことを多くの大学はあまり考えずに先生に丸投げしているのではないでしょうか。いい商品を作ることを企業のトップは考えないといけません。私はサイバー大学のトップとして、考え抜いて、いい商品(授業)を作ろうとしています。そうでなければお金を払ってくれる人、すなわち学生に申し訳ありません。

 世界の大学ランキングで、トップ100に入っている大学は日本で東大と京大、大阪大の3校しかありません。私はサイバー大学を、10年以内に100位以内、20年以内に50位以内か、できれば10位以内に入れたいと思っています。そして目標はノーベル賞、学生でも卒業生でも先生でもいいからノーベル賞受賞者を出すことです。日本の私立大学出身のノーベル賞受賞者はこれまでいませんが、そのぐらいの気概でやっていかないとだめだと思います。

ITmedia サイトに載っている吉村学長のウィークリーメッセージに海外への展開の話がありましたが、今後の展開についても教えていただけますか。

吉村学長

吉村学長 今はまだIT総合学部と世界遺産学部しかありませんが、数年後には、国際教養学部を新設したいと考えています。例えば法学系とか経済系といった学部はいろんなことを学びたい人には向きませんので、もう少し間口の広い分野の学部を作ろうと思っています。社会人の中には家庭の事情とかハンディキャップとかいろいろな理由で大学に行けない人がいるわけですが、そういう人にも来てもらいたい、それにはいろいろな幅の広い学問分野が必要ですから、10ぐらいのユニークな学部を作ろうと議論しています。

 次は海外展開です。将来は日本語で日本の歴史やそのほか現代の技術を含めて海外に発信する日本学部を作りたいという構想を持っています。日本語でないと分からない部分もありますから日本の文化を日本語で知ってもらわないとダメです。いま外国では日本語ブームで日本語ができる人は大勢いるのですが、その日本語を何に使っていいか分からない状況があります。もちろん、日本語だけでやると分からないというのでは困りますので、英語音声も付けようと思っています。

秋学期入学を考えている皆さんへ

ITmedia 秋学期の募集が始まりましたが、春学期入学との違いはありますか。

吉村学長 入学時期が半年違うだけで同じです。秋学期生は春学期の授業も全部受講できます。さらに秋学期向けに新しく44科目がスタートします。春学期生は秋学期の新しい授業を受講することもできるし、春学期に取り損ねた授業も受講できます。

ITmedia 秋学期での入学を目指す皆さんにひとことお願いします。

吉村学長 社会人でキャリアアップを目指すならIT総合学部をお勧めします。いまやIT抜きの企業なんてあり得ません。ITの基礎から応用、経営論、ビジネスモデル、情報セキュリティまで総合的かつ体系的に学べます。とりあえず、科目等履修生・特修生として今必要な、興味ある一科目から学び、後日、正科生になることも可能です。そして世界遺産学部はどんな年代の人でも楽しく学べます。

 悩むより、まずとにかく始めることが大切です。サイバー大学は学ぶ意志のある方はどなたでも歓迎します。

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提供:サイバー教育研究所
制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2007年8月8日