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MS、企業向けツールの好調ぶりを報告

» 2007年11月13日 16時40分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftが企業向けに提供しているソフトウェア導入・管理支援ツール「Microsoft Desktop Optimization Pack for Software Assurance」はここ9カ月間で300万件以上のライセンスを売り上げ、同社のボリュームライセンスプログラムの歴史において、バージョン1の製品としては過去最速の売れ行きを記録している。

 同社のWindows and Enterprise Management部門のジェネラルマネジャー、ブラッド・アンダーソン氏が11月12日、バルセロナで開幕したTechEd IT Forumでの記者会見で語ったところによると、このツールはWindows ClientのボリュームライセンスをSoftware Assurance契約で購入している顧客にのみ提供されているが、その点は採用の障害になっていないという。

 アンダーソン氏の記者会見はカンファレンスの開幕基調講演に先立ち行われたもの。基調講演はMicrosoftのインフラサーバマーケティング担当副社長、ボブ・ケリー氏が行った。

 アンダーソン氏はMicrosoft Desktop Optimization Packに関連して幾つかの発表を行ったが、そのうちの1つは、「SoftGrid Application Virtualization」の名称を「Microsoft Application Virtualization 4.5」に変更するというものだった。同ツールは現在Microsoft ConnectのWebサイトでβ版が公開されている。

 「このβ版には、動的な仮想化の追加、エンタープライズスケーラビリティの拡張、セキュリティ機能とグローバリゼーション機能の強化など、企業向けに幾つか主要な機能が含まれている」と同氏。

 同製品は2008年下半期にMicrosoft Desktop Optimization Packのほか、Microsoft Application Virtualization for Terminal Servicesを介して提供される予定だ。

 またアンダーソン氏によると、ITスタッフがオフラインシステムからウイルスやスパイウェアを排除するための「Diagnostics and Recovery Toolset(DART) 6.0」も現在β段階に入っているが、こちらは非公開という。DARTはWindows VistaとWindows Server 2008の32ビット版と64ビット版の両方をサポートし、BitLockerのフルボリュームの暗号化を解除したり、USBデバイスからファイルを引き出したりできる。

 DART 6.0は2008年上半期にMicrosoft Desktop Optimization Packを介して提供される見通しだ。

 また11月に入りWebでリリースされた「Microsoft Asset Inventory Service 1.0」では、サーバ環境のソフトウェアインベントリをフルスキャンできる。このサービスはMicrosoft Desktop Optimization Packの顧客がアクティベートを行った後に提供される。

 これまで「PolicyMaker Standard Edition」および「PolicyMaker Share Manager」と呼ばれていたGroup Policy機能は「Group Policy Management Console」に統合されることになった。

 「このコンソールはWindows Server 2008のグループポリシー管理ツールに組み込まれるほか、Windows Server 2008のタイムフレームに合わせて個別のダウンロードとしてリリース予定のRemote Server Administration Tools(RSAT) for Windows Vista Service Pack 1(SP1)にも組み込まれる。またWindows Server 2003環境にも対応する予定だ」とアンダーソン氏。

 ケリー氏は基調講演において、数千人の出席者を前に、2008年には一連のサーバのリリースを予定しており、2008年第1四半期にはWindows Server 2008、2008年上半期にはSQL Server 2008、そして2007年の年末にはVisual Studio 2008のリリースを予定していると語っている。

 「当社がこれまでに提供してきた中でも、最もセキュアで最も信頼性の高い製品群となるだろう」と同氏は語り、続けて、スタンドアロンのハイパーバイザー製品「Microsoft Hyper-Vサーバ」を28ドルで販売する計画も発表した。さらに同氏によると、2008年第1四半期にリリース予定のWindows Server 2008では8つのバージョンが提供される見通しという。

 このほかTechEd IT Forumの初日には、「2007 Microsoft Office system」の最初のサービスパックを2008年初頭にリリースする予定も発表された。このサービスパックはWindows Server 2008と互換性を備え、安定性、セキュリティ、性能が改善される。

 なおMicrosoftはFastCGI Extensionを無償でダウンロード提供しているが、初めて同技術のフルサポートを開始した。これによりWindows Server 2003のWebサーバでは信頼性のあるスケーラブルなPHPホスティングが可能となっている。「Internet Information Services 7.0(IIS7)を搭載するWindows Server 2008では、Go-Liveライセンス付きのFastCGIが提供されるため、PHPホスティングをネイティブにサポートする初めてのWindowsということになる」とアンダーソン氏は語っている。

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