投稿ルールや、どういう場合に掲載されないのかといった細かい解説も掲載した。中には「深夜から早朝にかけての未明時間帯は編集スタッフは寝ていますので、反映が翌日になります」といった説明も。「向こう側に編集する人間がいるんだということを少し意識してもらいたくて書いた」(加藤さん)
「荒らすユーザーは絶対にいる。ちゃんと運営していけるのか」――社内では、こんな声も上がっていた。「確かにギリギリを狙ってくるようなユーザーはいる」(加藤さん)というが、荒らすことだけを目的にしたスパム投稿は、それほど多くないという。
「事前の内容を確認するというスタンスは『性悪説に立っている』ととらえられることもあるが、むしろ逆。安心して投稿できる場を整えれば、ユーザーは良い意見をたくさん投稿してくれるだろうと信じていた。ユーザーを信頼してよかった」(加藤さん)
ニュース畑という名前やサイトデザインは「Web2.0っぽくない、あえてちょっとイケてないものを選んだ」(橋本さん)という。
「SNSなどのWeb2.0と呼ばれるサービスは、使いこなせる人とそうでない人に大きく分かれてしまうから、ニュース畑ではWeb1.5くらいのサービスを目指した。サイトは、葉っぱのアイコンを使ったり、緑色を多く使ったデザインにするなど、スローでナチュラルなイメージ。お茶でも飲みながら、肩の力を抜いて使ってもらいたい」(橋本さん)
ネットが苦手な人でも気軽に使ってほしいと考え、「CGM」「ソーシャルニュース」といった言葉は避けた。ニュースリリースでも「ソーシャルニュース」ではなく「ニュース掲示板」と表現。「ニュース畑のサービスを理解してもらうためなら、掲示板ではなく『かわら版』と言ってもいいぐらい」(加藤さん)
まずはgooニュースのコアユーザーである30代〜40代の会社員に使ってもらいたいという。「30代〜40代はネットを見ることには慣れているが、投稿などネット上でアクションを起こせる人はまだまだ少ない。『ブログをやる暇はないが、言っておきたい意見がある』というような人におすすめ」(橋本さん)
「ネットに対して、怖い、分からない、間違うと怒られるんじゃないかというようなイメージを持っている人にこそ参加してほしい。わたしの周りにはネットを使いこなせないという友人がたくさんいて、特に年齢層が高い層にはネットにうとい人が多い。ネットはよく分からないけど人生経験は豊富――そういう人の声を拾い上げていきたい」(加藤さん)
開設から7日後の11月20日、ニュース畑の投稿をまとめた記事をgooニュースに配信した。「安倍前首相復帰報道にそれぞれが感じた違和感」で、「政治」のジャンルでアクセスランキング1位になった。
「サイト公開から1週間でまとめ記事が作れるなんて予想もしなかった。ニュースとして配信できるぐらいクオリティの高い投稿がニュース畑に集まっているということを見てもらいたい」と橋本さんは自信を見せる。
ニュース畑では現在、GoogleのAdSense広告とAmazon.co.jpのアフィリエイト広告を導入している。「今後はコンテンツのクオリティーをさらに高めて、そのほかの広告展開や、他サイトとの連携を考えていきたい」(橋本さん)
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