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「今は追われる立場だが」――マイクロソフト、Notesからの移行策を強化

» 2007年11月26日 19時19分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 「数年前までは追う立場だったが、今は追われる立場」――マイクロソフト(MS)の佐分利ユージン常務は11月26日、IBMのLotus Notes/Dominoからマイクロソフト製品への移行を促進するための施策を説明した。同社の「Exchange Server 2007」はすでにNotes/Dominoよりも高いシェアを確保しているとしながらも、公式の移行ツールを新たに提供するなどし、Notes/Dominoを突き放す狙いだ。

 同社はNotesからの移行先として、Exchange Server 2007、SharePoint Server 2007、Office Communication Server 2007といった製品群を用意。強みとして(1)データベースからメールクライアント、検索まで統合的に利用できる、(2)オフィスワーカーが使い慣れたExcelをそのまま活用できる、(3)グループウェアやコンテンツ管理、コラボレーションなど、それぞれの機能を一部のみ導入することも可能、(4).NET Frameworkを活用した開発環境が整っている――といった点を挙げる。

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 同社によると、昨年1年間で130社がNotes/DominoからMS製品に移行したという。IDC Japanが7月に実施した、国内コラボレーションアプリについての調査では、Exchange Server 2007のシェアは36.6%。IBM製品(28.4%)を上回っている。最近は「SharePoint Server」の導入も伸びており「まずSharePoint Serverの導入を決めた企業が、その他の製品群を導入しよう、というケースもある」という。

 それでも移行促進の手綱はゆるめない。新たに、Notes/Dominoからの移行ツールを提供。これまでの移行ツールはサードパーティー製だったが、日本のMSで独自開発し、公式サポートも付ける。

 また、日本のユーザー企業の要望に応えた機能として、Outlookに12月から、階層型のアドレス帳機能を追加する。部署別・役職順・年齢順などでアドレスデータをソートできるようになる。

 「最新版の『Notes 8』はOutlook 2007にユーザーインタフェース(UI)が似ている。だが、いくら似たアプリをそろえ、UIを似せても、われわれにはイノベーターとしての絶大な自信がある」と佐分利氏は自信をみせた。

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