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仮想イベント技術を活用するためのノウハウ

» 2008年01月15日 13時51分 公開
[Irwin Kramer,eWEEK]
eWEEK

 イベント・展示会業界で、オンラインイベントと仮想展示会が、販促・リードジェネレーション媒体として台頭していることに疑いの余地はほとんどない。iCongoのアーウィン・クレイマーCEOによると、技術進歩により物理的な障壁が解消されて製品・サービス宣伝の効率性が高まり、取引先とのコラボレーションが可能になっている。

 企業にとっては多くの場合、確立されたライブイベントを補完するものとして、こうした技術を活用するのが最善だ。オンラインイベントは、従来型の展示会に取って代わるものでなく、物理的なイベントの活性化や拡大、あるいは多くの場合、特定の話題やテーマに関する独立した仮想イベントとして利用できる。毎年恒例の展示会で多数の来場者がある企業が展示を補うものとしてこうした技術に目を向ければ、世界の遠く離れた国々から幹部や関係者が仮想ブースに登場し、円卓会議を開いたり、メンバーコミュニティーをさらに活性化することができるかもしれない、

 一歩戻って考えよう。オンラインイベント、仮想イベントとは何なのか。オンラインイベントは、リッチメディアを使ってユーザーに素晴らしい体験をさせるライブのエキスポ、展示会、カンファレンスのことだ。オンラインイベントでは、3Dグラフィックス、音声、映像、コミュニケーションツール、プラットフォームのリッチメディア機能を活用し、実際のイベントに参加しているかのような感覚を再現する。

 来場者は実際のプレゼンテーションに参加したり、ブースを訪れて製品やサービスについて調べたり、企業の担当者と話したり仲間同士で交流したりできる。来場者、出展者、スポンサー、プレゼンターはイベントの複数の会場を通じ、テキスト、音声、ビデオ、音声技術を使った相互交流が可能だ。

 仮想イベントは、出展者が顧客や会員とのコミュニケーションを継続し、コンテンツと情報をやり取りできる時間を延長し、優れた人材を効率的に採用し、貴重な売り上げを伸ばすチャンスを強化できるというメリットがある。出展者はまったく新しい文脈の中で、従来型の現実世界でのイベントを妨げていた障壁にとらわれることなく自社を紹介できる。

 オンラインのイベントや展示会を主催する可能性や現実性を探っている企業のために、最大の投資効果を上げるためのノウハウを以下に挙げる。

  • まず、ターゲットを絞ったリードジェネレーションの提供により、出展企業にとっての価値を高めたい場合。ソフトウェアの選択肢を検討する際は、来場者についての詳しい報告書(来場者の行動追跡など)といった、適切なユーザーデータが入手できることを確認しよう。来場者のディスカッション参加状況、収集した資料、出展者のブース訪問状況といった情報は、製品とサービスに対する関心の度合いを示してくれる。事実上、来場者のあらゆる行動を把握することが可能なはずだ
  • オンデマンド仮想イベントは、ユーザーが参加しフィードバックを寄せてくれる機会が大きく広がり、イベントと、白書やニュースレターといった関連コンテンツとの組み合わせを強化できる。こうしたコンポーネントを念頭に、アーカイブ素材の取り入れに目を向けよう。こうした組織にとって仮想イベントは、コンパクトで柔軟性の高いナレッジベース・販促素材パッケージの役割を果たす
  • 仮想展示会とオンラインイベント技術は、それ以外の方式のコンテンツ配信チャンネルと競合する。この技術は、実際のイベントをプロデュースするよりコスト効率が高いという認識を持つことが大切だ。これは、出張経費が不要で新たな顧客を引き付けられ、施設費と販促経費を減らせることが一因だ。仮想イベントを開くかどうか、あるいは実際のイベントを補完するものとして加えるかどうかを検討する際は、仮想イベントはその性質上、幅広い配信に適していることが多く、長期にわたって大きな収益をもたらしてくれるということを覚えておきたい
  • さまざまな仮想イベント向けアプリケーションを検討する際は、その技術によって自社がどのように素材やデータをパッケージ・アーカイブできるか、および全体的な使い勝手を調べることだ。プラットフォームのバックエンドで参加者情報と素材の両方がどうパッケージされるかは、使い勝手にかかわる重要なポイントだ
  • 仮想イベント技術を活用するために、企業や組織は付加的な収入源に目を配っておく必要がある。作りがうまくターゲットが絞られたオンラインイベントでは、この技術により関連の広告主と主要スポンサーから相当の収益を上げることが可能になる

 仮想展示会とオンラインイベントは、新しいチャンスを最大限に活用することに焦点を当てた広範なブランド・コンテンツ事業の一環として組み込まれるものだ。この新しい枠組みのイベントは、展示会を強力な販促、リードジェネレーション、コミュニティー形成ツールに変えてくれる。飛びつく前に市場のさまざまな技術を検討する上で、上記のノウハウが助けになることを願う。

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