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プログラマブルハード技術で高性能ストリーム処理LSI NECエレが開発

» 2008年11月20日 07時00分 公開
[ITmedia]

 NECエレクトロニクスは11月19日、NEC中央研究所と共同で、プログラマブルハードウェア技術により大量のストリームデータ処理を効率良く行えるシステムLSI「クロスブリッジ」(XBridge)の開発と、評価ボード・開発ツールの試作に成功したと発表した。汎用CPUに比べ、ストリームデータを高速かつ低消費電力で処理できるという。1年以内の製品化を目指す。

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 プログラマブルハードウェア技術は、出荷後にハード構成を指定する情報を入れ替えることで、擬似的に可変なハードウェアを実現する。性能低下を招くソフトウェア書き換えによるLSIの機能変更ではなく、ハード処理の高速性を保ちながら機能の可変性を目指す技術だ。

 NEC中央研究所は1999年からプログラマブルハードウェア技術の開発を続けており、同技術による高性能と柔軟性が必要なアプリケーションとして、画像や音声、パケットなどの大量ストリームデータをニーズに合わせて高速処理するストリーム処理に着目。独自の「ストリーム・トランスポーズ」(STP)技術として開発を進めてきた。

 新LSIはSTPエンジン、2チャンネルPCI Express、DDR2メモリインタフェースなどを集積。STPエンジンによる並列処理により、CPUに比べ「1けたから2けた早い」処理を最大2ワットの消費電力で行えるという。

 STPエンジン搭載LSIは、ソニーが昨年以降発売した業務用カムコーダーで採用した実績がある。新LSIは1年以内の製品化を目指すほか、STPエンジンをIPコアとした40ナノメートル世代以降のカスタムLSIの開発を進めていく。今後のプロセスの微細化に伴い、出荷後に機能変更が可能なプログラマブルハードウェア技術は必須になるとみており、技術開発も継続して進めていく。

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