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OracleがVirtual Iron買収で得るものこれで仮想化オールマイティーに(2/2 ページ)

» 2009年05月14日 15時08分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK
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 Virtual Ironが独立系仮想化企業の戦列から脱落することで、この市場に残る独立系仮想化企業あるいは製品は、Parallels、DebianのOpen VZ、Ubuntu Linuxのほか少数の弱小プロバイダーだけになってしまう。

 米市場調査会社Forrester Researchのアナリスト、ガレン・シュレック氏はeWEEKの取材に対し、「市場再編の波が迫っているようだ。加えて、フル機能版のXenServerを無償提供するというCitrixの動きのせいで、この種の機能を有償で提供するのが非常に難しくなった」と述べた。

 「Virtual Ironのような企業はどうすればいいのだろうか。どちらもXenベースで、提供している機能もほとんど同じだ。Citrixは高度な管理機能は有料で提供しているが、多くの機能は無償で手に入る。一方、VMwareは確固たる市場のリーダーだ。はるか後方で2位につけているMicrosoftは、その次に人気の高いプラットフォームを提供している」と同氏は語る。

 Virtual Ironは、中堅中小企業(SMB)市場を自社製品の主要なターゲットにしていた。Oracleはこの買収でSMB市場に進出するつもりなのだろうか。

 「この買収はSMB市場への進出を狙ったものではない。Oracle自身のXenベースのハイパーバイザーの管理機能を強化することが主要な狙いだ」とシュレック氏は分析する。「Virtual Ironは優れたユーザーインタフェースに加え、動的ワークロード管理や電力管理などの機能も提供している」

 シュレック氏によると、OracleがSunとVirtual Ironの仮想化技術を自社製品として統合するかどうかは現時点では不明だという。

 「両社の製品が一部重複しているのは間違いない」とシュレック氏は話す。「どちらの製品も多くの顧客を抱えているわけではないので、これはどちらが市場に受け入れられるかという問題ではない。SunのxVM Ops Centerは魅力的な製品だが、Virtual IronはWindowsフレンドリーなので、Oracleは最大の仮想化市場に直ちに進出することができる」

VMwareとの“競争力学”

 米市場調査会社Yankee Groupのズース・ケラバラ氏によると、Virtual Ironの買収は、VMwareとの興味深い競争力学を生み出すという。

 「彼らは緊密なパートナーではないにせよ、ある程度は協力している」とケラバラ氏は話す。「Sunに関していえば、Virtual Ironは重複製品になる。OracleはWindowsやLinux環境を仮想化する手段を持っていなかった」

 「今回の買収は、Oracleがミッドマーケットへの進出拡大を狙っていることを示す明確なサインだ」と指摘するアナリストもいる。同社はこれまで、この市場への進出をほとんど果たせていない。

 米投資銀行Jefferiesのアナリスト、キャサリン・エグバート氏によると、「これはミッドマーケットを狙った動きだ。Virtual Ironのインストールベースには政府機関および教育分野の顧客が多い」と話す。

 「Oracleはこれで、ベアメタル(ネイティブ)のハイパーバイザーから最高レベルのユーザーアプリケーションまで、すべてのカードを手に入れたことになる」(同氏)

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