Microsoftは、Symbian用の新しいOffice Mobileアプリケーションが、速度と効率を求めるユーザーにアピールすることを目指した取り組みに注力すべきだ。電子メールからドキュメントをダウンロードし、それをOffice Mobileで開くという作業を、ほんの数秒で完了できるようにする必要がある。それ以後の作業でOffice Mobileに求められるのは、機敏なレスポンスだ。また、小さなキーボードと小型ディスプレイでドキュメントを編集するの必要な時間を短縮する機能に容易にアクセスできるようにする必要もある。ユーザーが作業を完了するのにかかる時間が少なければ少ないほど、Office Mobileの訴求力が高まるのだ。
わたしがOffice Mobileで最大の問題の1つだと思うのは、メニューシステムの設計がまずいことだ。基本的な機能を見つけるのにも苦労する。これは、ある意味でWindows Mobileの問題なのかもしれないが、Office Mobileソフトウェアの弱点であることには変わりはない。
Microsoftはメニューシステムを改善する必要がある。Office 2007は、Microsoftがユーザーを理解していることを示す好例だ。この製品では、頻繁に使われる機能を手近な所に配置し、優れた使い勝手を実現している。Symbian用のOffice Mobileでも、Microsoftはこの方式を踏襲すべきだ。メニューは容易にアクセスできるようにすべきなのだ。特に、頻繁に使用する機能はすぐにアクセスできなければならない。ほとんどのユーザーが利用しない機能には、頻繁に使用する機能と同じ価値を与えるべきでない。重要なのは、速度とシンプルさであることを忘れてはならない。
そして何よりも重要なのは、Microsoftは競争相手、すなわちGoogleとRIMを打ち負かすことに集中しなければならないということだ。どうすればOffice MobileでGoogleに勝てるだろうか? Google Docsが時代遅れに見えるようなイノベーションを実現できるのだろうか?――Microsoftが成功したいのであれば、これらの疑問に答えなければならない。
同社にとって幸運なことに、こういった使い勝手や市場をめぐる問題について検討する時間はたっぷりある。NokiaとMicrosoftでは、2010年にインスタントメッセージングプラットフォームを提供する予定だ。Symbian OSにOffice Mobileアプリケーションが搭載されるのは2011年になるもようだ。MicrosoftがOffice Mobileを改良する時間は十分過ぎるくらいある。
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