ブリン氏はさらに続ける。
こういった書籍を簡単に閲覧できるサービスが100あればいいと思う。そうすればユーザーは時間を大幅に節約できるし、Googleにとっても労力の大幅な節約になるだろう。しかしこれまで数々の重要なデジタル化プロジェクトが推進されたにもかかわらず(Googleは米国議会図書館などのプロジェクトにも資金を援助してきた)、当社の取り組みの規模に匹敵するものはなかった。これは、当社以外はどこも必要なリソースを投入しようとしなかったからだ。100のサービスが登場するのが無理ならば、そういったサービスが少なくとも1つ存在する必要がある。
この主張は、ブリン氏が10月7日に、シュミット氏とニューヨークに滞在中に報道陣に語った内容の延長線上にある。Googleのニューヨークオフィスでメディアを交えて開かれた90分間の円卓会議において、「絶版書籍をめぐって批判している企業、すなわちAmazonとMicrosoftは、この分野で何の取り組みもしていない」とブリン氏は述べた。
このコメントを読んだ米Internet Archive共同創業者のブルースター氏は「われわれはGoogleブック検索に反対だ。上院議会を通過した孤児作品に関する法案に混乱をもたらすからだ」と記している。
「Googleが自社の利益のために、これらの書籍を独り占めするという試みを断念しないのであれば、IT企業と図書館は強い反対の声を一斉に上げ、適切な法律の成立に向けて協力することになるだろう」とブルースター氏は述べる。
しかしブリン氏は、署名入り記事で「Googleの提案は裁判所と司法当局に受け入れられる内容であり、議会でも支持されるだろう」と記している。
この和解案は手続きの簡素化にもつながる。和解案に基づいて作成される書籍の著作権のレジストリは、権利保有者に名乗り出るよう促すとともに、ほかのプロジェクトが許可を取得するのに便利な手段を提供する。新しいプロジェクトが孤児作品に対して同一の権利を直ちに確保するわけではないが、和解案は同様の訴訟に際して妥協点の目安となり、孤児作品法案にとって先例としての役目を果たすだろう。Googleは以前からこの法案を支持しており、その立場は今後も変わらない。
ブリン氏の記事は、Google、著作者および出版社がニューヨーク州南部地区連邦地裁のデニー・チン判事と会合を開き、和解案の修正について話し合いを行った翌日に掲載された。チン氏は各当事者に対し、11月9日に修正案を裁判所に提出するよう命じた。
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