アプリの承認プロセスにおけるAT&Tの影響は、トラブルの原因となっている。AppleがGoogle Voiceを検討したとき、AT&Tが介入した(訳注:AT&Tは当局に対し、介入していないと明言している)。同社はまた、VoIPアプリケーションが一切、3Gネットワーク上で動作できないことも明らかにした(訳注:AT&Tは10月に、3Gネットワーク上でVoIPを許可すると発表している)。これらは氷山の一角にすぎない。App StoreにおけるAT&Tの役割を排除すべきだ。問題を引き起こしているからだ。
App Storeの承認プロセスの最大の特徴の1つが秘密主義だ。Appleは必要に迫られない限り、情報を出そうとしない。特に問題なのは、開発者とユーザーがApp Storeおよびその承認プロセスでどんなことを期待できるのかを理解できるようにするために、Appleがそのサービスをオープンにしようという姿勢が見られないことだ。これは由々しき問題だ。
Appleが誤ってアプリケーションを却下し、その後の再検討(主としてメディアで取り上げられたときに行われる)の結果、アプリケーションのストア登録を認めた場合には、過ちを犯したことを素直に認め、こうしたことが再び起きないように努力するという姿勢を表明すべきだ。残念ながら、同社はそういったことを一切していない。それどころか、同社は相変わらず、きちんとした理由を示すこともなく有用なアプリケーションを却下している。そして問題になったときだけ、何事もなかったかのようにアプリケーションをこっそりと認可するのだ。これは恥ずべきことだ。
App Storeが抱える大きな問題の1つに、アプリを見つけるのに苦労することがある。残念ながら、ユーザーは求めるプログラムを見つけるまでに、不要なアプリケーションをかき分けるのに多くの時間を費やす必要があるのが現状だ。これはいら立たしいばかりでなく、役立つアプリのダウンロードにも支障が生じる恐れがある。
残念ながら、AppleがApp Storeのユーザーのことを本当に理解しているとは思えない。同ストアには多くのユーザーにアピールするたくさんのアプリが登録されているが、Appleがアプリを却下する決定の中にはばかげたものもある。Appleには、誰がiPhoneを所有しているのかをよく思い出し、何事もそれを出発点として決定するようにしてもらいたい。
恐らくApp Storeが抱えている最大の問題の1つは、Appleを神経質にさせるような厳しい競争が存在しないことだろう。今のところ、AppleのApp Storeはモバイルアプリケーション分野を圧倒的に支配しており、Android MarketやBlackBerry App Worldが近いうちに同ストアの地位を奪う可能性は低い。この市場に本当の競争が出現するまでは、Appleが自らApp Storeの方針を大きく変更するとは思えない。
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