GoogleのライバルであるYahoo!とMicrosoft Bingも、Googleの“大成功”の気分を味わいたいだろうが、Yahoo!とMicrosoftが今年、首尾よく手を結ぶことができたとしても、検索市場での両社のシェアは28〜30%にすぎないだろう。comScoreの発表によると、昨年12月の米国の検索市場でのGoogleのシェアは65.7%だった。
MicrosoftとYahoo!の検索提携は当局の承認待ちの段階だが、ローゼンバーグ氏によると、Googleは今年、検索ビジネスの取り組みをさらに強化する方針だという。Googleが今後も成功を継続する上で1つの鍵となるのが、検索結果を表示するまでの時間を短縮することだ。すなわち、Webページ、地図、ビデオ、各種Webサービスを競合検索エンジンよりも素早くユーザーに提供するということだ。
Googleはソーシャル検索技術も強化する計画だ。といっても、FacebookやMySpaceなどに対抗するソーシャルネットワークをGoogle自身が立ち上げるというわけではない。ローゼンバーグ氏によると、Googleは自社のすべての既存製品のソーシャル化を進めるのだという。
「人々は他人から聞いたレストランや映画の評価よりも、友人による評価の方を信用するのではないだろうか」と同氏は話す。Googleはこの分野で「Google Social Search」という基盤を(ラボの中ではあるが)既に構築した。この技術は、Googleのユーザーベース内で友人や知人のレビューやブログなどのコンテンツを検索結果として表示するというもの。
さらにGoogleは、ソーシャル検索の取り組みと並行して、ロケーションベースの検索と電子商取引の技術も活用する考えだ。同社はユーザーの地元の企業や店舗を検索結果によりよく反映させる「Place Pages」を立ち上げたほか、自社の地域情報検索技術を強化するためにYelpの買収にも動き出した。
モバイルデバイス愛好家に耳よりなニュースもある。ローゼンバーグ氏によると、Googleは今年、モバイル技術にさらに力を入れる方針だという。
「当社の検索とそのほかのサービスに携帯端末からアクセスするユーザーが増えている。最近の携帯電話は、GPSやカメラなど多数の機能を搭載しているため、モバイルベースのWebがPCベースのWebよりも優れた環境になる可能性もあると思う」と同氏は語る。
GoogleのモバイルOSであるAndroidを搭載したスマートフォン(GoogleのNexus Oneなど)を、モバイルベースの検索、アプリケーション、広告と組み合わせるというのは、Googleが検索市場の支配をPCから携帯端末に拡大するための優れた手段であるように思える。
Googleは今年、Microsoft、Yahoo!、Appleと対抗するための武器としてモバイル技術を駆使するものとみられる。
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