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「テレビ局とwin-win」 Ustreamの「謙虚」な戦略、CEOが語る(2/2 ページ)

» 2010年05月20日 15時15分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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収益源は広告と有料サービス「Watershed」

 Ustreamの基本サービスは無料。同社の収益源は、動画の下部などに表示される広告と、「Watershed」という動画配信者用の有料サービスだ。

 Watershedは、動画から広告を削除したり、画面に企業ロゴを入れるなど配信プレーヤーをカスタマイズしたり、認証ユーザーのみ視聴可能にしたり、視聴者数を解析したり――などさまざまな機能を使えるオプション。料金は月額制と従量課金の2種類で、従量制なら1人1時間当たり1ドルなど、視聴者数や視聴時間に応じて設定されている(料金表)。視聴者数が増えると高額になるため、法人利用が多いという。

 売り上げ規模は非公開だが、広告、Watershedとも伸びているという。今後は、独自の広告プラットフォーム展開を計画。テレビCMのように動画にCMを挟み込んだり、音楽ライブの配信にあわせてライブチケットやCDを販売するなど、コンテンツに合った広告配信もしていきたいという。

 事業は現在、赤字だが、2011年の黒字化を目指している。

日本の利用者、米国に次ぐ2位 アジア市場攻略へ

画像 ソフトバンクの孫正義社長とハムCEO。18日の会見

 Ustreamのユーザーを国別に見ると、1位の米国(60%)に次ぐ2位が日本(15%)。創業時からアジア市場を有望視していたこともあり、今年1月、ソフトバンクからの出資を受け入れた。5月18日には日本法人・Ustream Asiaを設立することを発表。Ustream Asiaでは日本を皮切りに、中国、韓国、インドで事業展開していく計画だ。

 海外展開のスタート地点としてアジアに照準を定めたのは、「カメラ付き携帯などハードウェアが充実しており、ネット接続環境が整備されている」ため。数あるパートナー候補からソフトバンクを選んだのは、「日本最大のポータルYahoo!JAPANを成功させたという実績を持っている」ためだ。

 4月26日にUstreamポータルサイトを日本語化したほか、5月18日にはiPhoneアプリ「USTREAM Viewer」「USTREAM Broadcaster」の日本語版提供をスタート。今後はテレビ局などメディア企業や権利者団体などと話し合いながら、「既存メディアとのwin-winの関係」を築き、アジアナンバーワンの動画ライブ配信サイトに成長させたい考えだ。

 「ストリーミングメディアのグローバルブランドになり、ライブ配信で人びとをつなげたい」とハムCEOは意気込んでいる。

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