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一体型2眼式3Dカメラや「クアトロン」の3D対応モデルも 「3D&VR展」

» 2010年06月24日 07時00分 公開
[小笠原由依,ITmedia]

 バーチャルリアリティ(VR)や3D関連製品を集めた展示会「3D&バーチャルリアリティ展」(東京ビッグサイト、25日まで)が6月23日、開幕した。パナソニックが世界初の一体型2眼式3Dカメラと3D対応モニターを展示したほか、ソニーも3D対応モニターを参考出展。シャープのブースでは“4原色”表示技術を採用した液晶テレビ「クアトロン」の3D対応モデルを展示していた。

世界初の一体型2眼式3Dカメラレコーダー

 パナソニックのブースでは、一体型2眼式3Dカメラレコーダーを展示している。フルHDで撮影でき、SD/SDHCカードに記録する一体型2眼式3Dカメラレコーダーは世界で初めて。8月末に発売予定で、実売想定価格は220万5000円。

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photo パナソニックの一体型2眼式3Dカメラレコーダー

 レンズ、カメラヘッド、レコーダーを一体化。本体左脇に付いたジョグダイヤルを使えば輻輳角の調整をしながら撮影できる。金属フレームを使って2台のカメラを組み合わせて撮影する「リグ方式」の3Dカメラと違い、「即応性、機動性が高い」という。

 左右用の撮影用に3板式MOSセンサーを2基搭載。サイズは、158(幅)×187(高さ)×474(奥行き)ミリ。重さは、約2.6キロ(バッテリーと付属品をのぞく)。HD SDI出力とHDMI 1.4a出力に対応する。

 放送用映像のほか、手術の映像といった医療用途、スポーツ関連団体での利用も想定しているという。

 撮影した3D映像を確認するためのフルHD液晶モニターも展示。モニターサイズは25.5インチで、8月末に発売する予定だという。実売想定価格は、100万8000円。

 走査線を左右の目に振り分けて立体映像を作るラインバイライン方式、独立した2つの映像を再生するサイマル方式、画面を左右に分割して収録するサイドバイサイド方式の3種類の入力方式に対応。リグ式3Dカメラで撮影した映像を調整できる表示モードも備えた。

 サイズは、599(幅)×440(高さ)×220(奥行き)ミリ。重さは約10.5キロ。

「視野角の広さが特徴」 ソニーのフルHD 3Dモニター

photo ソニーのフルHD 3Dモニター

 ソニーのブースでも業務用フルHD3Dモニターを参考出展していた。24インチと42インチの2サイズ展開で、今秋発売する予定。実売予想価格は24インチが110万円前後、42インチが140万円前後。

 偏光眼鏡を利用し、走査線を左右の目に振り分けて立体映像を作るラインバイライン方式で、円偏光フィルターを採用した。2D映像と3D映像の切り替えもできる。

 24インチを撮影中の確認用モニターとして、42インチを完成映像の確認用モニターとして利用するなど放送用映像の撮影を主な用途として想定している。

 同社モニターの特徴は視野角の広さ。「業務用の場合、必ずしも正面からディスプレイを見るとは限らない。視野角の広さにはこだわった」といい、同社の業務用モニター「LUMA」の最上位機種と「視野角はほぼ同じ」だという。

3D対応「クアトロン」

photo クアトロンに映る3D映像を見たお客さんから「このテレビ明るい!」といった声が上がっていた

 シャープブースでは、7月30日に発売予定のクアトロン3D対応モデルを一足先に見ることができる。

 クアトロン(Quattoron)は、イタリア語で「4」を表すクアトロ(quattro)と電子(electron)を組み合わせた造語。光の3原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)に、新たにY(黄色、Bの補色)を加えたフィルターを使う4原色表示方式を採用。3原色では実現できなかった明るく色鮮やかな表示が可能だという。

 3D表示にはフレームシーケンシャル方式を採用。左右の映像を交互に表示し、液晶シャッター眼鏡を赤外線で同期させることで立体映像を映すという。

 ブースには人だかりができており、「このテレビ、明るい」といった声も上がっていた。

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