ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

AMD、タブレット市場には慎重 Intelは積極攻勢

» 2010年10月18日 16時19分 公開
[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 IntelはタブレットPC市場に積極参入しているかもしれないが、ライバルのAMDは、CEOによると、もっとゆっくりとしたアプローチを取っているという。

 だがAMDが数年以内にタブレットに参入するときには、高性能かつ省電力で、グラフィックスと動画の処理に秀でたプロセッサを投入すると、同社のダーク・マイヤーCEOは10月14日、第3四半期決算発表会でアナリストや記者に語った。

 マイヤー氏は、タブレット市場の進化に伴い、端末メーカーはNetbookで使われている省電力パーツをタブレットに搭載するだろうと語る。これは、AMDがクライアント向けプロセッサプラットフォームで目指す方向と合致する。

 「そうした理由から、数年後にはタブレットでAMDソリューションを目にするようになると思う」(同氏)

 AppleのiPadはタブレット分野に活気を取り戻し、それに刺激されてDellやHewlett-Packard(HP)、Research In Motion(RIM)などほかのメーカーも独自のタブレットを開発している。アナリストは、これからタブレットが登場するという見込みが、消費者がPCを買い控えている一因になっていると確信している。

 AMDとIntelの関係者はいずれも、消費者向けPC市場は需要が予測を下回ったが、企業の支出拡大と新興国市場の需要でやや相殺されたと話している。

 さらに第3四半期のAMDの業績は、GLOBALFOUNDRIESの投資損失が重しとなった。GLOBALFOUNDRIESは、AMDが昨年製造部門をスピンオフして設立した企業。

 AMDは同四半期に1億1800万ドルの損失を計上した。前年同期は1億2800万ドルの赤字だった。売上高は前年同期比16%増の16億2000万ドルだった。

 マイヤー氏は、第4四半期の売上高は横ばいと予想している。

 AMDの決算報告の2日前には、Intelが決算を発表し、110億ドルを超える売上高を報告している。決算発表会で、Intelのポール・オッテリーニCEOは、同社はAtomプラットフォームでタブレット市場のメジャープレイヤーになると語った。初のAtom搭載タブレットとして、独NeofonieのWeTabが年内に登場し、来年にはAtom搭載タブレットがもっと出てくると同氏は述べた。

 同氏は、AppleのiPadがタブレット分野に活気を取り戻したことを賞賛しつつも、Intelはタブレット市場を制するつもりだと語った。

 「このセグメントを勝ち取るために、使える資産をすべて活用する」と同氏は言う。「この市場に全力で幅広く参入していく」

 マイヤー氏は、タブレットはまだ初期段階にあるとし、今後数年で複数のフォームファクターが登場すると予測している。AMDは今年、省電力ノートPC、Netbook、タブレット向けに「Ontario」プロセッサを出荷するが、同氏は、タブレット固有の技術にすぐに力を入れることはないと語った。

 「当社はノートPC市場でまだ小さな存在だ。目の前にあるチャンスを考えると、タブレット市場に研究開発費を振り向けるのはまだ理にかなわない」(同氏)

関連キーワード

AMD | Intel | タブレットPC | Ontario


Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.