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「人事評価は必要か」「まかない」「優秀なエンジニアとは」──ベンチャー経営者が語り合うIVS 2010 Fall(5/6 ページ)

» 2010年12月22日 16時33分 公開
[高杉貴,ITmedia]

モンハンやドラクエが出ると社内の雰囲気が良くなる

海老根 経営上の大きな悩みや今までの危機をどのように乗り越えたか、あるいは乗り越えようとしているか教えてください。

近藤 もっとヒットするサービスを出したい。世の中を良くしているって実感を得られるサービスを生み出したいってのが理想ですね。それは相当難しいなぁと思ってます。年2回ほど開発合宿2泊3日で行ってます。エンジニアとデザイナーが集まってやってます。テーマに沿ってれば何やってもいいよとやり始めます。ばらばらで作ったものを評価して優秀なものを表彰すると。20個作ったうちの10個ぐらいはサービスとしてできるのかなと思っています。

田中 ぶっちゃけ組織経営なんてどうでもいいんですよ。ベンチャー企業なんで。2年に1回、お客さんの規模と売り上げと利益が2年に1個ゼロが増えれば、10年後くらいに僕の愛するディズニーとか任天堂とかを叩きつぶせると考えているので、2年に1回ゼロを増やすにはどうしたらいいのか、やらなきゃいけないこといっぱいあるじゃないですか。電脳フィギュアの頃って1万円のモノが1万個売れて1億円になって、今mixiさんやGREEさんのおかげで売り上げがゼロ1個増えていて、その都度課題があるんですけど。1個1個が課題だし。そのために必要なものを分捕ってくるのが僕の仕事かなぁと思っていて。課題と言えば課題だし、当然と言えば当然ですが。ちょっと禅問答みたいな感じになっちゃいましたね。

海老根 そのために一番初めに必要なことはなんだと。

田中 道ですね。道。孫子も言ってますけど。麻原じゃないですよ(会場から笑い)。一番大切なのは道を誤らないことだと思っていて、今日僕京都に来たんですけど、間違えて東北新幹線乗っちゃうと青森行っちゃうじゃないですか。方向さえ間違えなければ、時間かければ着くじゃないですか。宝の山がどこにあるかって分からないとどうしようもないですよね。それを探すことが組織のスタートで、道具とかお金とかを取ってくる…。そういうことを社員には言ってますね。

海老根 ちょっとよく分かんないなあ。道を決めるために必要なものってなんですか。

田中 道って議論しても出ないじゃないですか。当り前じゃないですか、答えが出ればみんな会社を作るはずなんで。青春のぶつけどころを探している若者が僕のところに来ているわけで、僕はその道を提示しているんですよ。僕が苦しんで勉強して見聞して探すんですよ。で、その見つけた道を走破するために、社員にお前はしご掛けろとかいうわけですよ。

千葉 去年の8月、ドラクエ発売。12月にモンハン発売。全然関係ない話のようなんですが、可処分時間の奪い合い、バッティングが起きていて。ついつい携帯ゲームに目が行きがちなんだけど、遊ぶものに費やす時間が携帯だったりDSだったり他の物だったりという戦いなんだなと。どう乗り越えるか。ひたすら我慢して。

田中 うちの会社、モンハンのせいでつぶれそうになってますね。

後藤 うちはモンハンのおかげでコミュニケーションが発生してありがたいぐらいで。

田中 うちのめちゃめちゃできるエンジニアが22時間とかFFやってたりして。

海老根 後藤さんとこは儲かってるわけね。

後藤 昼休みとかみんな狩りに行ってて、僕も欲しいのにどこにも売ってなくて、一緒に狩りに連れてってくださいって感じで。

千葉 何が辛いって、ユーザーの時間も奪われるし社員の時間も奪われるしダブルなんですね、手の打ちようがない。

後藤 モンハンとかドラクエが出るといろんなコミュニケーションが出たり、研究したり雰囲気が良くなるんです。離職率が低いってのが強みなんですけど、若いために子供っぽい人が多いってのが悩みで。マナーやコミュニケーションがうまくできなかったりって人が多くて、非常に人材が肝な会社なので人事の育成が悩みです。

海老根 キャリアの道筋はどう作ってあげてるんですかね。

後藤 それがですね、ワークショップを開催して、増えた時にコアバリューとかミッションを共有しているんですけど。そんな感じできたらいいなと思ってるんですけど。

海老根 基本的に全員参加型経営を目指すということなんですね。

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