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中堅・中小企業の半数強が不正取引の被害を経験――米調査

» 2011年04月07日 07時51分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 中堅・中小企業(SMB)の半数以上が過去1年の間にインターネットバンキングを使って不正に預金を引き出されるなどの被害に遭い、損失が補償されない場合も多いことが、米国の調査会社がこのほどまとめた2011年版の調査報告で分かった。

 調査はネットバンキングの不正防止サービスを提供している米Guardian Analyticsの委託で調査会社Ponemon Instituteが実施。米国のSMB幹部や経営者533人を対象に、不正取引の被害実態について調べた。

 それによると、過去1年の間に何らかの不正取引の被害に遭ったという回答者は全体の56%を占め、うち61%が複数回にわたって被害を経験。71%はインターネットバンキングなどの口座が乗っ取られたり、不正利用されたりする被害に遭っていた。この割合は前年の調査とほとんど変わっていなかった。

 銀行側が不正な預金引き出しを食い止めることができたのは22%にとどまり、78%は気付かないままだった。68%のケースでは不正に引き出された預金を銀行が回収できず、その損失を銀行が負担したのは37%、企業側が負担したのは60%だった。

 こうした事件の発生を受けて、SMBの10%は被害に遭った銀行の口座を解約し、33%はメインバンクを別の銀行に移したと答えている。

 一方、モバイルバンキングの普及が進んでいる実態も判明した。スマートフォンやiPadなどのタブレットPCから会社の銀行口座を利用しているという回答者は38%と、前年の23%から大きく増えた。

 調査結果についてPonemon Instituteは「インターネットバンキングやモバイルバンキングの利用は増え続けており、不正取引の被害は今後も増える可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

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