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アイティークルー、IBM製高性能計算機を東北大学に納入

» 2011年05月24日 16時43分 公開
[本宮学,ITmedia]

 アイティークルーと日本IBMは5月24日、アイティークルーがIBM製の高性能計算機(High Performance Computing Culster:HPCC)を東北大学に納入したと発表した。東北大学はデータの高速処理を実現するこのHPCCを、5月から開始予定の大規模な宇宙科学実験に役立てる考えだ。

 納入されたHPCCは、IBM製の計算サーバ「IBM System x iDataPlex」と同社の分散共有ファイルシステム「General Parallel File System」および、同社のストレージ「IBM System Storage DCS9900」で構成される。General Parallel File Systemは複数ノードからの高速アクセスができるのが特徴で、計算サーバへの高速データ転送が可能だ。

 また同HPCCは1つのタスクを複数のプロセッサで同時に高速処理する高並列処理によって、200Gバイトのデータをわずか1.4分で処理できる。アイティークルーによると、東北大学が従来利用していたシステムの17倍以上の高速化を実現したという。また、予定されている宇宙科学実験では1日あたり約800Gバイト以上発生する観測データを分析する必要があるが、新システムでは6分程度で処理できるとしている。

 東北大学が5月から開始する実験は、ビッグバン後の創生期の宇宙において「反物質」が減少し、「物質」だけが残ったメカニズムを探るための「ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊の探索」というプロジェクト。24時間体制の観測にともなって大量のデータ分析を必要とするこの実験に対し、アイティークルーは「新システムの全体提案、設計、導入、構築を行い、プロジェクトを支援している」とした。

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