「プラットフォームを整備しても、いいゲームがないとうまくいかない」(久保田さん)。優れたゲームがプラットフォームにユーザーを引きつけ、ユーザーを引きつけたプラットフォームがさらにゲームタイトルを呼ぶ好循環が成長のカギになる。
7月6日の時点では162タイトルのゲームを展開。「怪盗ロワイヤル-zero-」などDeNAのゲームのほか、「100万人の信長の野望」(コーエーテクモゲームス)や「ガンダムブラウザウォーズ」(バンダイナムコゲームス)など人気コンテンツのソーシャルゲーム版もそろえている。
2月のリリース以来、ヤバゲーのランキング上位をキープしている「キャプテン翼 〜つくろうドリームチーム〜」を開発したKLabの佐藤理一執行役員は「DeNAと連携することで開発しやすかった。もともとモバイルでサービスを展開していたこともあり、PCでも同じサンドボックスを使って開発できるなど、開発環境が整っていて参入はしやすかった」と振り返る。
ユーザーは男性の20〜30代が中心とみており、平日の昼間でも秒間2000リクエスト数を超えることがあるという。「偏ったユーザーがいないプレーンで全年齢的な、本当の意味での『ポータル』なのが成功した理由の1つだと思う」。
PC向けのメリットの1つはモバイルと比べて、ゲームのリッチさだ。「キャプテン翼はかなり作り込み、やりたいことを多く詰め込んだ」。ただ、「リッチにしたからこそ成功というだけではなく、PCの特性をいかして楽しいものを作ったということ。デバイスの特性は考えるが、PCかモバイルかでゲームの根幹は変わらない」という。「良いものを出すというスタンスを貫き、それを出すプラットフォームがあれば成功できる」。
「プラットフォームビジネスなので、参加している企業にどう貢献できるか。ようやく自信を持ってレコメンデーションできるプラットフォームになってきた」(赤川さん)。月間で1億円を超える人気アプリもある一方、まだ認知度がそれほど高くなかったり、知名度が低いアプリでも十分ビジネスになるケースも出てきているという。「ケータイ向けMobageには900弱のアプリがあるが、ヤバゲーはまだ160程度。PCで作りたいという人はぜひ、と言えるタイミングになっている。ブルーオーシャンの所以だ」。
当面の目標は会員数の拡大だ。現在の男女比は「7:3に近い割合」といい、女性へのリーチなどで「拡大の余地がある」と見ており、「まだまだ大きなビジネスになる確信がある」と意気込む。
キャプテン翼など、著名コンテンツのゲーム化は幅広い年齢層を取り込むのに効果的という。今後もさまざまなサービスを保有するYahoo!JAPANとの連携もさらに進めていく。ヤフーの結城郁成さん(デジタルコンテンツ企画部)は「コミックなど、Yahoo!JAPANのほかのサービスとの連携を加速させていきたい」という。
久保田さんは「唯一のプラットフォームではあるが、そこに甘えることなく、月に1億円の売り上げのゲーム群を4、5億円にできるようなプラットフォームにしたい」と話す。約2カ月後に近づくヤバゲー1周年には「花火を上げたい」と準備を進めている。
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