ITmedia NEWS > ベンチャー人 >

「思いつく人はたくさんいるが、実際に作った人はごく少なかった」 “学び”を流通させる「Cyta.jp」(2/3 ページ)

» 2011年09月01日 17時29分 公開
[本宮学,ITmedia]

足を使った採用試験と、作り込まれたWebシステム

 生徒と講師のマッチングを行う同種のサイトはいくつかあるが、有安さんは「世界中見渡してもうちが一番うまくいっているのでは」と自信を見せる。それを裏打ちする差別化のポイントの1つは、創業時から重視している講師の採用方法だ。

 Cyta.jpでは、講師の1人1人を面接で選ぶ。その倍率は約10倍。当初は「もっと効率的に講師と生徒をマッチングさせるサイトにしよう」という声も社内で上がったが、「誰でもなれる先生に教わりたい人はいない」と、独自の採用基準に基づきシビアな採用を続けている。

 東京から離れた地方でも、専任の面接官を出張させてその場で試験を行う。こうして地道に採用してきた講師を全国に1200人以上抱え、これが同社の財産になっている。

photo 「SNSの基本機能は全て備えている」(有安さん)というマイページ

 差別化のもう1つのポイントは、07年の創業時から作り込んできたWebシステムにあるという。

 コーチ・ユナイテッドの社員は現在15人ほどで、その半数はエンジニアだ。創業時から開発を進めてきたというマイページをはじめ、これまでにさまざまなシステムを自社で開発してきた。

 Cyta.jpでは、生徒はレッスンの予約から料金の支払い、講師とのコミュニケーションまで、実際のレッスン以外の全てをマイページ上でできるようになっている。対面で行うレッスンの緊張感と、Webを通じた継続的なコミュニケーションを両立させることで、初回の体験レッスンを受講した1万人のうち、6〜7割が月に1度以上レッスンを利用する「アクティブユーザー」として定着しているという。

photo グラフの中身は「企業秘密」だ

 マイページには「レッスン以外の全プロセスをWebで完結させることで、さまざまな情報を数値化し、分析できる」というメリットもある。生徒と講師のやりとりなどで発生する膨大なデータから「講師への生徒の定着率」や「生徒の満足度」など、さまざまな指標を表すグラフを自動生成する解析システムを持っているという。このグラフを基に、月に数千回行われるレッスンを15人の社員で効率よく管理し、サービス向上に役立てている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.