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ネット×ドラマが生み出す「リアル」――異色ドラマの仕掛け人、鈴木おさむさんが語る(2/2 ページ)

» 2011年11月18日 13時00分 公開
[本宮学,ITmedia]
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ゲームのユーザーは真剣そのもの 作戦会議コミュニティも

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 番組の原案となった「私のホストちゃん 〜club vanilla編」は、ドラマに登場する7人のホストのうち1人を指名してお酒を貢ぎ、ナンバーワンホストに育て上げる――というある種の育成ゲームだ。指名するホストは基本的に固定制で、指名変更のチャンスは1カ月に1度。携帯電話とスマートフォン(Android/iOS)から利用できる。

 ユーザーはミニゲームなどでゲーム内通貨を調達し、ホストにお酒を貢ぐことで、ホストとの会話やプレゼントのやり取り、各種イベントなどを楽しめる。さらにAmeba共通の通貨「アメゴールド」を利用すれば、自分のアバターの服装を着せ替えることも可能だ。

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 ドラマと同様に、年末のランキングで最下位となったホストはゲーム内でもクビになるという。「自分のお気に入りのホストを応援したい、別れたくない」――そんなユーザーの気持ちを喚起し、さらなる「貢ぎ」を促進する仕組みになっている。実際に、ゲーム内のコミュニティーでは「データ・作戦スレ」が立ち上がるなど、ホストを応援するユーザーの姿は真剣そのものだ。

テレビとネットの融合が生み出す新たな可能性

 “ドラマ”私のホストちゃんの制作に当たり、「ゲームと番組を融合させるのは、さまざまな壁があって難しい」と鈴木さんは話す。「まず必要なのは、番組を面白くすること。そして多くの人に見てもらい、さらにはゲームのユーザーになってもらう。この3つの要素全てを達成することは奇跡に近い」

 また、同番組が放送されている午前1時台後半という深夜帯においては、視聴率よりも「いかに積極視聴をしてもらうか」が重要だと鈴木さんは言う。「番組を見て終わりではなく、例えば2ちゃんねるに実況スレッドが立つとか、Twitterで盛り上がるなど、視聴者の何かしらのアクションを引き起こせなければ、ゲームを利用してもらうまでには至らない」

 そこで鈴木さんが考案したのが「ドラマとネットの組み合わせ」だ。視聴率としては初回放送の3.0%が最大(11月16日現在)だが、回を重ねるごとにTwitterなどでの盛り上がりは大きくなってきているという。また、YouTubeでの総再生数も加速度的に増加しており、最近は1日当たり数万回が再生されるまでになっている。

 「今回は初の取り組みなので模索しながらという面も大きいが、ドラマとネットの融合で人々に興味を持ってもらえることは分かった。また自分自身、制作しているうちにどんどん面白いアイデアを思い付いている。今回はたまたまホストだが、今後は例えばアイドルのリアリティードラマと『アメーバピグ』の連携プロジェクトなど、さまざまなチャレンジをしていきたい」(鈴木さん)

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