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KDDI、スマホ活用の学習サービスに参入 まず未就学児と中高生向け

» 2013年06月24日 16時48分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 KDDIは6月24日、スマートフォンを利用した学習サービスを未就学児と中高生向けに7月1日から始めると発表した。それぞれ専門ベンチャーとの協業で展開し、定額の月額課金制で提供。「スマートフォンの普及も進む中、リアルの生活と結びつくサービスを提供していきたい」と社会人向けなどへの拡大を視野に入れている。

 始めるのは、未就学児向けの「こどもパーク」と、中高生向け「GAKUMO」。

 「こどもパーク」(Android)は0歳から6歳の子どもを対象とした文字の練習や計算、お絵かきなどの知育アプリ50種類以上を利用できるサービスで、取り放題の月額コースを790円で提供する。

photo 質の高いアプリを厳選した独自マーケット。月額コースでは取り放題
photo 「こどもモード」起動時。ホームボタンも反応しない

 親のスマートフォンを子どもが扱うことを想定し、指定したアプリ以外は起動できなくなる「こどもモード」を用意。1日の利用時間の上限を決めたり、アプリの使用履歴やカテゴリ別の使用状況も見られ、「親子のコミュニケーションツールとして安心してスマートフォンを使ってもらいたい」(KDDI 新規ビジネス推進本部 雨宮俊武本部長)としている。アプリのダウンロードは無料で、コンテンツの単体購入も可能。

 サービスは子ども向けAndroidタブレットなどを販売する米FUHUとの協業で展開する。KDDIは昨年11月、ベンチャー投資の一環でFUHUに出資している。

photo ベネッセコーポレーションの豊岡隆行 家庭学習事業本部副本部長は「高校生の半数がスマートフォンを持っている時代、学習環境も変わっていくのは自然の流れ」と話す

 「GAKUMO」(Android/iOS)はスマートデバイスを使って本格的な学習ができるアプリ。ベネッセコーポレーションを始め、複数の企業の開発する学習教材を同一アプリ内で提供する。

 中学生は3教科5科目、高校生は5教科9科目をそろえ、通学時間などのすきま時間での利用を想定し、1単元ごとに約15分で終了するボリューム。設問をまたいで図版や問題文を展開できるため、単なる暗記問題ではなく、段階的に理解を深められるのが特徴という。重要な設問や単元には3〜5分程度の解説動画も収録し、分からない場合はメッセージ機能を利用して講師に直接質問もできる。

 月額料金は1コース受講の場合980円で、同時に3コースまで受講可能。9月末まではオープニングキャンペーンとして無料で利用できる。

photo 図版を用いた問題文。写真は理科の実験に関して
photo 回答を重ねるとコインが付与され、アバターアイテムと交換できるなどゲーム的要素も

photo Quipper 渡辺雅之CEO

 アプリの制作は、北米やアジアで3万人以上が利用する学習サービスを展開する英Quipperが行う。ディー・エヌ・エー(DeNA)創業メンバーで、同社を創業した渡辺雅之社長は「ユーザーはより効果がある学習システムを常に求めている。接触時間の長いモバイルで学習するスタイルは、よいものを提案すれば必ず理解され広がるはず」と意気込む。今後は、ゲーミフィケーション的な要素を入れ込むバランスなどを最適化するなどして利用度を高める。

photo KDDI 新規ビジネス推進本部 雨宮俊武本部長

 KDDIの雨宮俊武 新規ビジネス推進本部長は「スマートフォンの普及も進む中で、リアルの生活と結びつくサービスを提供していきたい。小学生向けや社会人向けの展開も視野に入れ、1人1人に寄り添う新しい学習スタイルを今後も提案していく」とした。

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