反響は想定以上。6月12日に発売を発表したところさまざまなメディアに取り上げられ、2ちゃんねるにもスレッドが立ったと驚く。「スレが立ったのはうちが出した商品では初めて。わ、すげ! と」
6月いっぱいで50台売れればと思っていたが、発表から10日ほどで初期ロットの50台を完売。7月末までに100台近く受注した。電話などの問い合わせが多く、遠方からわざわざ店舗に製品を見に来た人もいたという。8月初めにビックカメラで行った実演販売も好評。「3Dプリンタは海外産がほとんどである中、国産であることを評価してくれた人が多かった」という。
「ソフトウェアエンジニアによるハード開発が増えている」と岡田社長は言う。「Arduino」や「Raspberry Pi」などオープンソースハードウェアの普及で、ネットワークとつながるデバイスを手軽に開発できるプラットフォームが広がっているほか、無料のCADソフトが公開されるなど、CADを始めるハードルも下がってきた。ただ、3Dデータ作成や、3Dプリンタのメンテナンスには、ある程度の技術力や試行錯誤が必要。紙に印刷するプリンタのように手軽に利用できるものではなく、「まだまだハードルは高い」と話す。
「ハードはネットワークとつながるべきだ」という信念を持つ岡田社長。CellPも単体プリンタでは終わらせないつもりだ。
岡田社長はソフト開発会社・アイ・ビーの社長も兼任。05年、au携帯のBluetooth通信機能を利用した2足歩行ロボットを開発。ケータイからロボットの動きデータをダウンロード・転送して動かすなど、ネットワーク、アプリ、ハードの組み合わせに取り組んできた。
CellPは今後、プリントヘッドを2つにできる追加パーツを販売するなど、ハードウェアオプションを追加していくとともに、ネットワークやクラウドにもつながるようにしていく計画。アイ・ビーで培ってきたソフトウェア・ネットワーク技術を生かし、ハードとネットワークの連携を進めていく。
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