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売りは「究極のクローズド」 410万DL突破のカップル専用SNS「Between」の狙い(2/3 ページ)

» 2013年10月09日 09時00分 公開
[本宮学,ITmedia]

普通のSNSは「息苦しい」から

 Betweenの構想がスタートしたのは2011年のこと。「TwitterやFacebookなどのSNSが急速に普及する中、自分の写真を見られたくない人に見られてしまったり、メッセージの送り先を間違えたりと、オープンなSNSに息苦しさを感じる人が増えていた」ため、クローズドなコミュニケーションツールを目指して開発を始めたという。

 開発元のVCNCは、韓国でプログラミングスキルが特に優秀と認められて兵役を免除された“エリート集団”によるベンチャー。12年3月にBetweenを正式リリースすると、特にプロモーションなどを行わなかったにも関わらず「口コミだけで」国内外でユーザーが増えていったという。

photo 梶谷さん

 特に日本のユーザーのアクティブ率が高かったため、12年6月に日本語版を公開し、13年6月に日本法人を立ち上げた。もともと日本のベンチャーキャピタルに勤めていた梶谷さんは、韓国でVCNCの日本進出をスカウトした際「あまりの急成長ぶりに興奮して」日本法人の代表になることを決めたという。

 日本でもカップル向けSNSは増えつつあるが、「ページビュー(PV)数はうちが1番だと思う」と梶谷さんは自信をみせる。Betweenはアクティブユーザー率の高さに加え、ページ遷移の仕組みなどを工夫することで、競合アプリと比べて「数十倍規模」のPV数を誇っているという。

バナー広告は一切なし 「2人きりの空間を邪魔したくない」

 Betweenは、サービス開始以来バナー広告を一切入れていない。「カップルの気持ちは繊細だから。2人きりの空間を邪魔するような押しつけがましい広告は入れられない」

photo イベントボックス

 代わりに、ログイン後の画面に表示される「イベントボックス」で各種キャンペーン情報などを掲載している。掲載するのは「カップルにとって価値がある」と同社が判断した広告のみ。「カップル向けに広告を出稿したいというリクエストはかなり多いが、内容がユーザーとの親和性が低そうなものはお断りしている」という。

 広告と並んで収益の柱となっているのは有料スタンプの販売だ。同社が大学生に対して行ったアンケート調査によると、メッセンジャーアプリでやり取りする相手は「恋人」が最多だったという。「Betweenでもハートマークなどをモチーフとしたカップル向けスタンプがよく売れている」と梶谷さんは話す。

 今後はカップル同士の「おねだりリスト」機能を提供予定。カップル間でほしいものをリクエストし合い、購入金額の一部が同社の収益になる仕組みだ。同機能はまず韓国国内でテスト提供し、今後は日本などでも展開していく予定という。

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