薬事法改正案には、28品目の医薬品のネット販売規制に加え、処方箋薬の対面販売を義務付ける文言が加えられる見通しだという。
「一般医薬品の問題に乗じ、どさくさに紛れて処方箋薬のネット販売禁止を通したいのでは。一般医薬品を隠れみのにして処方箋薬の権益を守りたいのが本音ではないか」――三木谷社長はこう指摘。「医師が処方した薬を受け渡すことも対面でないといけないとは、時代錯誤もはなはだしく、笑っちゃうぐらいだ。処方箋薬が対面でないといけない理由を合理的に説明をするのは、ソクラテスでも無理ではないか」(三木谷社長)
処方箋薬販売の準備を進めているケンコーコムの後藤社長は、「何の議論もなくネット販売がダメとする法律がされるなら、早急に手を打たないと」と話す。
三木谷社長は、安倍晋三首相の判断に、最後の期待をかけている。「不合理な規制を撤廃するのが安倍政権の掲げている規制改革。総理の最終判断は下ってないので、最後のご英断にかすかな望みを持ちたい」
このまま法改正が行われた場合は、ケンコーコムが中心となり、販売が可能とする地位確認を求める訴訟を提起する方針で、三木谷社長が代表理事を務める新経済連盟もサポートする。「国を訴えながら国の委員はできない」とし、三木谷社長は産業競争力会議の民間委員を辞任する意向だ。
政府は規制改革を旗印に掲げながら、医薬品のネット販売の全面解禁すら困難な状況に、「これぐらいのことができないか」と心底あきれた様子の三木谷社長。「一番簡単であろう改革(医薬品販売の全面ネット解禁)も通せなかったことを考えると、(アベノミクスの成功は)なかなか厳しいかもしれない」
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