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「セール品の価格チェックはしている」が……楽天市場、「想定外」の不当表示はなぜ起きた 担当幹部に聞く(3/3 ページ)

» 2013年11月08日 18時08分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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システムによる監視には限界も

 再発防止に向け、店舗への啓発を強化するほか、システム改善の検討も進める。公式セール中に公式セールの文言を使った“勝手セール”を禁止することも検討している。

 ただ、売り上げを上げるために「店舗も必死」(高橋常務)。顧客のトラフィックを集めるために「ついついやっちゃったのだろう」(同)という面もある。セールに関係なく不当表示が疑われる店舗もあるのが現状だが、4万店が販売する1億6000万点に上る商品全ての価格変動を常時チェックするのは、システム的にも大きな負担がかかるという。為替変動の影響や原材料費の高騰など、元値の変動も日常的。チェックを厳格過化すると商品陳列の自由度が失われるなど、店舗の負担にもなり、「やればやるほど、まじめな店舗が痛い目にあう」(同)

画像 高橋常務(左)と塩原室長

 監視を厳しくしても逃げ道は生じる。「システムだけですべて解消するほど甘くない。新たな手法は、人手でチェックするしかない」(塩原室長)。問題の発覚を受け、価格表示のチェックにかける人手も増やしているという。

 楽天市場での販売は、基本的には店舗が自由に行える仕組みで、価格表示についても「完璧な対策はできない」(高橋常務)が、「クオリティを上げ続け、完璧に近づけるよう努力を続けていきたい。今回は、不当な二重価格を撲滅するチャンスととらえ、徹底的にやる」という。

 「不当表示は、楽天の店舗コンサルタントが店舗に対して推奨しているのでは」――ネットではこうした憶測もあるが、高橋常務は「あり得ない。そんなことを行えば処罰ものだ」と強く否定。一方で、楽天と無関係な業者やコンサルタントが集客に汲々とする店舗につけ込み、二重価格や不適切なSEO、架空取引を使った不正レビューなどを指南しているケースを複数確認しており、悪質な業者には法的処置も検討するという。

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