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「デザインはますます重要」「管理職の仕事は『チームの支援』」──Yahoo!マリッサ・メイヤーCEOが語るDreamforce 2013 Report(2/2 ページ)

» 2013年11月20日 17時30分 公開
[本宮学,ITmedia]
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Googleシュミット会長から学んだ「マネジメントの心得」

ベニオフ あなたはYahoo!に入社以来、「モバイルファースト」などさまざまな新方針を打ち出してきた。それらの実現に当たって社員や幹部をどのように説得した?

メイヤー 説得するよりも「話を聞くこと」を重視してきました。Yahoo!には、優れたベテラン社員がたくさんいます。勤続年数が長いということは、その分野でのノウハウや問題解決の方法をたくさん知っているということです。それを引き出すのが私の仕事であり、社員が「こうしたい」という気持ちを支持してあげることが大切だと思っています。

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 Google時代に上司だったエリック・シュミット(会長)からも、管理職のあり方についてさまざまなことを学びました。彼いわく、優れたマネジメントは「こうしなさい」と社員に指示することではありません。スポーツに例えれば、チームが攻撃するのを陰から守り、チームメンバーが全力で走れるようにしてあげるのが管理職の仕事なのです。

 私はYahoo!に入ってすぐに、社員が自らの意志で異動しやすい仕組みを作りました。例えば、モバイルアプリを開発したい社員が希望の部署に行けるようにし、自分自身の情熱を傾けられる仕事ができるようにしたのです。さらに、「仕事上で障壁になっているもの」を社員に自由に挙げてもらい、これまでに1000以上のワークプロセスを改善してきました。

ベニオフ あなたは若いけれど、数十億ドルの利益を生み出す会社のCEOだ。それでいて、今もさまざまな人に会ったり組織に所属することで自分の成長を目指しているように見える。その上でさらに家事もこなしているが、これらのバランスをどのように取っている?

メイヤー そんな風に見てもらえるのはうれしいですが、タイタニックの映画に「実際に船が沈むのは決してロマンチックではない」という言葉がある通り、私の生活も決してスムーズなものではありません。

 仕事に集中する時もあれば、目の前のことに追われて他のことを一切できなくなってしまう時もあります。また、クルマの後部座席で子どものおむつを替えないといけないようなこともしょっちゅうです。とにかく時間がない中で忙しく動き回っている――というのが私の実情です。

 ただ、そんな中でも心がけているのが、物事に優先順位を付けることです。優先順位の付け方は人によって違うと思いますが、私にとってはまず家族があり、次にYahoo!という順番です。もし他のことに使える時間があるとしたら、それは私にとって“ボーナス”のようなものです。

 私が気に入っている言葉の1つに「仕事が先で、成功はおまけでついてくる」という地元フットボールチームのコーチの言葉があります。彼は「私にとって優先順位が最も高いのは神様で、次に家族、最後に自分のフットボールチームだ」と言っていましたが、私の場合はあまり信仰心がないので……。家族第一、第二にYahoo!といったところですね(笑)

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