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かっこよく、安く、限定販売──中国の国民的スマホになった「小米」(Xiaomi)のプロモーション術(2/2 ページ)

» 2014年05月12日 15時13分 公開
[山谷剛史,ITmedia]
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海外市場進出の成否は

photo 筆者の愛用する小米の「紅米手机」

 小米手机ユーザーが増えた結果、その故障率の高さも明るみとなり、マニアの不満を買うことになった。現在でも小米手机はブレイク中だが、マニア的にはそれが一番クールな中国産スマホというわけではなく、OPPOや魅族のほうがよほどいい──と思われている節がある。ただフォローすれば、筆者自身も小米の「紅米手机」を愛用しているが、パッケージから説明書、「MIUI」という名の小米オリジナルのユーザーインタフェースまで、実に初心者にフレンドリーな作りとなっている。

photo マニア向けハイスペック製品路線を続けるOPPO

 結局、現在のところOPPOや魅族は小米との競争に勝つことはなく、小米だけがマスも含めて中国内外で注目を集めている。数年かけてガジェット通の間からユーザーが増えていき、やがて通なスマホという評判が口コミで周囲に広がり、小米はマスの中で「こだわりあるスマホ」ポジションを獲得した。中国のスマートフォンマニアは「OPPOや魅族は製品が優れていて、小米はマーケティングが優れていた」と口をそろえる。

photo インドネシアのOPPOの店舗

 小米やOPPOは、新興国など海外市場を視野に入れている。小米は先月BRICsやASEANなど10カ国に進出することを発表し、今月シンガポールで開かれた「Startup Asia」でも海外進出を意欲的に語った。ただ新興国ではインターネット環境は未整備な部分もあり、習慣も異なる。中国でWebサイトでの販売を重視してきた小米式マーケティングがそのまま通用するかは微妙なところ。逆に中国式PRにこだわらず、進出先の国々で成功を収めれば、小米を始めとした中国メーカーの世界市場シェアはさらに拡大し、中国製スマホがスタンダードになる可能性もある。

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